アイドル卒業後に「家電製品アドバイザー」資格を取得し、現在は俳優やタレントの傍ら「家電女優」として活動する奈津子さんが、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaに突撃! カリスマ店員の勝田泰幸さんに、マンション暮らしを快適にする家電について聞きました。
狭くても快適! マンションにぴったりのコスパ・タイパ・スペパ家電
――マンション暮らしの方に人気の家電は?
勝田泰幸さん(以下、勝田):物価高や共働き世帯の増加、マンションの狭小化(参考:不動産経済研究所「首都圏マンション 戸当たり価格と専有面積の中央値の推移」)などを背景に、コスパ・タイパ・スペパが高い商品が人気です。スペパというのは「スペースパフォーマンス」を指します。マンションは家電を置く場所や収納力が限られているので、省スペースを重視して家電を選ぶ方も多いですね。
――奈津子さんもコスパやタイパ、スペパは意識されていますか?
奈津子さん(以下、奈津子):私もマンション住まいで共働きなので、その3点は、重視しています。コスパ・タイパ・スペパにも繋がりやすい最新の冷蔵庫や食洗機から見ていきましょうか!

▲(右)勝田泰幸さん。ヨドバシカメラマルチメディアAkiba マネージャー▲(左)奈津子(なつこ)さん。芸能界イチ家電に詳しい女優。ドラマ『野ブタ。をプロデュース』でデビュー以降、多くの作品に出演。並行してSDN48の一員として歌手活動も経た後に難関の「家電製品アドバイザー」資格を取得。現在は“家電女優”としても活動している。TOKYO FM「Skyrocket Company(スカロケ)」火曜レギュラー。Instagram:@natsuko_kaden X:@natsuko_twins
――最新の冷蔵庫は?
奈津子:上部にカメラが付いていて、専用のアプリで冷蔵室の中身が確認できるものが出ていますね。機種によっては、野菜室や冷凍室が見られるものもあります。対応機種は限られますが、カメラの後付けも可能です。お買い物先で「あれ、あったかな」と悩んだときにスマホで冷蔵庫の中を見ることができるので、買い忘れや買い過ぎを防げます。フードロスも減るのでコスパも良いですし、タイパにもなりますよね。
勝田:スマホで中身が確認できれば、冷蔵庫のドアの開閉回数が減るので節電にもなります。機種によっては、ドアの開閉回数や開閉時間帯も記録してくれるんですよ。開閉されない時間帯は自動で省エネモードに入るので、さらに節電できます。

▲ドアを開けるたびに上部のカメラが庫内を撮影

▲コロナ禍以降、おうち時間が長くなったこともあって、キャビネットのような小型の冷蔵庫の需要も高まっているという
――人気の食洗機は?
勝田:じつは、マンションにビルトインの食洗機が付いているにもかかわらず、置き型の食洗機を購入される方も多いんですよ。使い勝手やメンテナンスの手間など理由はさまざまですが、ビルトインの食洗機があるご家庭には、一人用のものなどコンパクトで手軽に使えるタイプが好まれます。よく使う食器は、洗ってそのまま食洗機に置いておく方も多いようです。食器棚に戻さないので、タイパにもスペパにもなります。
ご自宅でテレワークされる方も多いので、仕事中に使ったコーヒーメーカーやマグカップ、ランチに使った食器など、量は多くないけれどすぐに片付けたいものをささっと洗うために置き型の食洗機を購入する方も見られますね。
奈津子:最近は、ドラム型洗濯機のように、洗剤が自動投入されるタイプの食洗機も見られます。最新のものはAI(人工知能)で汚れを検知してくれるので洗剤の節約になりますし、節水にもなるんですよね。

▲コンパクトな置き型食洗機が人気だという
現代版「三種の神器」! 狭いマンションでも暮らし快適
――かつて家電の「三種の神器」といえばテレビ・洗濯機・冷蔵庫といわれていましたが、2025年、特にマンション生活における三種の神器を挙げるとすれば?
勝田:やはり、コスパ・タイパ・スペパができる家電になってくるでしょう。悩みますが、3つ選ぶとすれば「ドラム式洗濯機」「多機能トースター」「ドック付きスティッククリーナー」でしょうか。
ドラム式洗濯機は、洗濯から乾燥まですべてお任せできるので、タイパが高い家電の一つです。昔の機種に比べて乾燥スピードが速くなり、消費電力も大幅に減っています。乾燥までしたときのゴワつきが気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、最近は仕上がりも改善されています。
多機能トースターは、トーストを圧倒的に美味しく焼き上げてくれるのはもちろん、冷めたお惣菜もできたてのようにリベイクしてくれるんですよ。忙しい共働き世帯にはおすすめの家電です。ドック付きスティッククリーナーは、スティッククリーナーをドックに戻すと自動でごみがダストボックスに移動する掃除機です。毎回ごみ捨てをしなくていいので、こちらもタイパが高い家電といえるでしょう。
――ドラム式洗濯機はどのような製品が人気ですか?
勝田:ドラム式洗濯機については、主に乾燥機能が重視されるので、コンパクトなものより高性能なものが人気です。新しい製品であるほど総じて乾燥時間が短く、タイパも良くなります。選ぶ製品次第で、乾燥時間に2倍ほどの開きがあります。短いものなら乾燥時間は1時間半ほど、長いものだと3時間を超えます。稼働時間が長いと、その分、電気代も高くなります。
奈津子:我が家も以前から、ドラム式洗濯機を購入し愛用しています。洗剤と柔軟剤だけでなく、漂白剤も自動投入してくれるタイプなので本当に便利です。洗剤などを測って入れる時間はわずか数秒ですが、毎日のことですから大幅な時短になります。ボタン一つで洗濯機を回せれば、洗濯自体のハードルも下がりますよね。
勝田:ドラム式洗濯機の故障の原因として最も多いのは、メンテナンス不足です。日立のドラム式洗濯乾燥機「BD-SX130K」は、洗濯機の上部にある乾燥フィルターをなくした「らくメンテ」で、お手入れを楽にしています。

▲日立のドラム式洗濯乾燥機「BD-SX130K」。乾燥のたびにお手入れが必要だった上部の乾燥フィルターがない!

▲「ホコリ・糸くずは次の運転時に洗い流して、『大容量糸くずフィルター』に集める仕組み。これはお手入れが格段に楽になりそうです」と奈津子さん
――「多機能トースター」にはどういった機能があるのでしょうか?
勝田:パンの温めでなく、焼き加減を調節したり、スーパーで買ってきたお惣菜や冷凍食品も、まるでできたてのように調理できるものもあるんですよ。
奈津子:我が家ではBALMUDA(バルミューダ)のトースターを使っているのですが、スーパーの見切り品もとっても美味しく仕上げてくれるので重宝しています(笑)。
電子レンジだとべちゃっとなってしまう揚げ物も、サクサクに温められます。冷凍食品まで美味しく焼き上げてくれると時短になりますし、子どもが小さいと外食もしづらいですからね。
勝田:最近人気のTWINBIRD(ツインバード)「匠(たくみ)ブランジェトースター」は前から見ると正方形でコンパクトなのですが、しっかり奥行きがあって、食パン2枚を前後に入れることができます。自動調節でリベイクしてくれるので、焦げ付かないようこまめに焼き加減を確認する必要がなく、忙しい朝食準備にも活躍します。
奈津子:TWINBIRDってお手頃な家電のイメージがあったのですが、最近は高級ラインも増えていますよね。
勝田:そうなんです。上質な「匠プレミアム」というブランドラインで、この「匠ブランジェトースター」は、パン職人の世界大会の優勝経験を持つ「パンの匠」と共同開発したヒット商品です。

▲売り場に多機能トースターの調理実演コーナーを設けるほど注目度が高い
――ドック付きスティッククリーナーの人気商品は?
勝田:マンション住まいの方に人気なのは、音が静かなものです。SHARPの「RACTIVE Air STATION(ラクティブ エア ステーション)」EC-XR1は、独自の低騒音化技術によって、やさしい運転音を実現しています。「ラクティブ エア」シリーズ最小の55dBのやさしい運転音です。
奈津子:本当ですね! 強モードでも全然音が気にならないです。ドックがごみを収集する音もとても静かですね。
勝田:この製品は、ダストカップに紙パックを装着する仕組みです。一時期は紙パックが不要なサイクロン式の掃除機が主流でしたが、最近は紙パック回帰の傾向があるんです。紙パックはランニングコストがかかってしまうものの、ごみ捨てのときにホコリが舞わず、ワンタッチで捨てられます。アレルギーがある方や小さなお子さん、ペットにもやさしいと人気です。

▲奈津子さんは掃除機だけで15台所有しているという
マンションの家電選びで注意すべきポイント
――マンションの家電を選ぶ上での注意点を教えてください。
勝田:マンションだと、ドラム式洗濯機などの大型家電を置くスペースに限界があります。また、置く場所の広さは問題なくても、間口や廊下の幅によっては搬入ができないケースもあるので注意が必要です。
特にリフォームしたマンションはこのケースが多いようで、新築時は家具や家電の搬入まで考えられて間口や廊下の幅が設計されていても、この点が抜け落ちてしまっているリフォーム物件も少なからずあります。2階くらいまでで、ベランダの前にスペースがあるマンションなら掃き出し窓から搬入できることもあるので、まずは搬入の見積もりをしていただきたいですね。
奈津子:搬入口やスペース的にドラム式が入らないのであれば、縦型の洗濯機を置いて、別途、独立型の衣類乾燥機を導入してもいいかもしれませんね。乾燥スピードが速く、ふんわり仕上がるガス乾燥機も人気ですが、ガスや排気配管の都合上、導入できないマンションがほとんどです。
一定の室内干しスペースがあるなら、衣類乾燥除湿機を導入して、居室やその一部を乾燥室のようにする手もありますね。ただ、最近のマンションはほとんど浴室乾燥機が付いているので、これだけで十分というご家庭もあるのではないでしょうか。
勝田:マンションはキッチンのスペースも限られるので、自動調理器機やホームベーカリー、ミキサー、ジューサー……など、片っ端から調理家電を揃えていけばいいわけではないはずです。タイパも大切ですが、やはりマンションは特にスペパが求められます。多機能トースターのように一台二役、三役のものや、使うときだけ出して収納できるコンパクトな家電を選ぶなどの工夫が必要でしょう。

▲奈津子さんはSDN48に在籍していた頃、公演の合間にヨドバシカメラマルチメディアAkibaによく訪れていたという
取材・文:亀梨奈美 撮影:平林直己 ヘア&メイク:スミホシナ スタイリスト:大塩リエ
WRITER
不動産ジャーナリスト。不動産専門誌の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。
おまけのQ&A
- Q.250台以上の家電をお持ちとのこと。その中でも「これは!」という家電を教えてください。
- A.奈津子:100台以上のヘアドライヤーを試してきた中で最も衝撃を受けたのが、パナソニックの「nanocare ULTIMATE(ナノケア アルティメイト)」です。速乾なのにうるおいを保つ、まさに至極のドライヤーです! 少しお高いですが、髪質そのもののコンディションが爆上がりするのでコスパは高いと思います。