俳優の戸塚純貴さんは、地元の岩手から上京後、これまでに複数回の引っ越しを繰り返してきました。戸塚さんのマンション選びのポイントや、住まいへのこだわりについて伺います。
初めての一人暮らしは「クセあり住人」が集まるワンルームマンション
――戸塚さんの住まい遍歴を教えてください。まず、上京後に住んだのはどんなお住まいでしたか?
戸塚純貴さん(以下、戸塚):上京したての頃は、所属事務所が会社の寮として使っていた部屋に住ませてもらっていました。ワンルームにユニットバスという、初めて一人暮らしをする学生が住むような部屋です。6畳で収納スペースがなく、自分で買った棚を置いたら、ほぼ寝るスペースしかなくなるくらいでしたね。ハイベッドを置いて、その下を収納にして……みたいに、限られた空間を効率よく使うために頑張って工夫していたのを思い出します。
▲戸塚純貴さん(とづか・じゅんき)/俳優。1992年7月22日生まれ、岩手県出身。近年の出演作に映画『スオミの話をしよう』『まる』、ドラマ『波うららかに、めおと日和』『バレエ男子!』、配信ドラマ『【推しの子】』、舞台『グラウンドホッグ・デー』など。10月10日よりアニメーション映画『ホウセンカ』の公開が、11月4日より舞台『マイクロバスと安定』(東京公演:下北沢 本多劇場他)の公演が始まる。Instagram:@junki_tozuka
戸塚:当時は部屋そのものに対する条件やこだわりはなくて、周囲にどんな人が住んでいるかのほうが大事でした。ちょっとワケありだったり、クセのある人、それから謎の人物。そんなドラマが起こりそうな住まいに憧れていたんです。上京するときに事務所にも、「会社の寮で、そういう多種多様な人たちが集まっているアパートやマンションないですか?」と聞いて、実際に希望に近い場所を紹介してもらいました。
――よく見つかりましたね。
戸塚:渋谷のど真ん中という、仕事場に行くには便利でしたが、一般的には住むのには向いていない立地でした。夜もすごく賑やかで。
次に住んだのは、都内の1DKのマンションです。不動産屋さんに伝えていた希望条件は「風呂・トイレ別」と「バイク置き場があること」くらいで、あとは俳優の先輩宅の近所がいいなと。近くに住んでいれば、ご飯もおごってもらいやすくなるかなという理由で(笑)。
――2軒目のお住まいは、どんなところが気に入りましたか?
戸塚:寝室は一応あるんですけど、大きなワンルームみたいなつくりだったんですよ。部屋の数は最小限でよくて、そのぶん広い生活スペースがほしいタイプなので、僕には合っていました。ただ、日当たりは悪かったです。目の前に大きなマンションが立っていて、昼間でも全く自然光が入らなかった。それまで日当たりとかどうでもいいと思っていましたが、やっぱり大事なんだなと学びましたね。
バイクいじりがはかどる「ガレージに全振り」した現在の住まい
――引っ越しを重ねて少しずつ希望条件も増えていったと思いますが、現在のご自宅はどのようなポイントで選ばれたのでしょうか?
戸塚:この家じゃないとダメっていう条件がひとつあって、ガレージつきなんです。
バイクのカスタム、メンテナンスをするときにガレージにいくのが楽しくて。隠し部屋に降りていくような感覚がありますね。
▲現在の自宅をかなり気に入っているという戸塚さん
好きなもので埋め尽くされた空間が理想
――今日はショールームで、長谷工の商品「UGOCLO(ウゴクロ)」「Be-Fit(ビーフィット)」をご覧いただきました。それぞれの商品の感想を伺いたいのですが、まずは「UGOCLO(ウゴクロ)」について。
▲2組の可動収納ユニットがそれぞれ平行に移動。収納スペースの拡充や子供部屋の追加など、リフォームをせずに間取りの変更が可能になる「UGOCLO」
――こちらは収納クローゼットを可変式にして、スペースを自由に広げたり狭めたりできる商品ですが、戸塚さんならどんなふうに使いたいですか?
戸塚:パッと思い浮かんだのは、それこそ隠し部屋みたいに使えそうだなと。収納としてだけでなく、作業スペースとしても活用できる場所にしたいです。個人的にはやや閉鎖的な空間のほうが集中できるので、周囲を可変式の壁で囲えるのはいいですよね。そこで台本を読んだり、モニターを置いてゲームをしたり。
あとは、コレクションルームみたいにしてしまってもいいかもしれません。リビングなどの生活空間で、1か所だけ趣味全開の場所があると少しバランスが悪く見えてしまうじゃないですか。でも、UGOCLOの収納ユニットに挟まれた空間は隠れているから、趣味関係のものはそこにすべて集約しておけばいい。生活スペースはスッキリさせつつ、思い切り自分の好きな世界に浸れる趣味部屋もつくれますよね。
――戸塚さんならその趣味スペースに何を置きますか?
戸塚:今の自宅でもリビングに飾っているのですが、フィギュアやけん玉、映画のDVD、ドラマで使った思い入れのある品などですかね。あえて隠さず、むき出しの状態で。インテリアの一部というか、観葉植物のような感覚で好きなものを置きたいです。
あとはゴルフバッグかな。リビングに置くと、結構な存在感が出てしまうので。UGOCLOに囲まれた空間にゴルフバッグを置き、床に人工芝を敷いてパターの練習ができるようにしたら楽しそうです。それも、広さを変えられる利点ですよね。
忘れもの防止に外出時に必要なものを玄関に集約したい
――「Be-Fit」についてもお聞きします。こちらは分譲マンション向けに、家族のライフスタイルやニーズに合わせて収納などを自由にレイアウトできる間取りの提案です。
▲Be-Fitの間取りの主なポイントは3つ。1つ目は、居室の使い方に制約を与える各部屋の小型収納を廃し、家族全員の収納を1か所に集めた「Large-Storage」(ラージストレージ)を設置。2つ目は、アウトフレーム構造(柱を最大限、空間の外に出す構造)で凹凸のない「整形な居室」を創出。3つ目は、居室や玄関、廊下などに創出した「余白空間」を自由にカスタマイズできる「Fit-Zone」の設置
▲Large-StorageやFit-Zoneには、壁面家具を後付けできる。背面支持金物を使用した「BF-Shelf」。棚の位置や高さを調節でき、収納を自在にアレンジ可能
――こちらも、戸塚さんならどう活用したいか教えてください。
戸塚:Fit-Zoneは玄関にも配置できるということなので、僕だったら玄関周りにいろんなものを置きたいです。靴や鍵、イヤホン、コートなど、出かけるときに必要なものがすべてここにあったら便利ですよね。棚の位置を高くすれば、その下にスーツケースも置けますし。
僕は本当に忘れものが多くて、財布やスマホはしょっちゅう忘れるし、ひどいときはカバンごと家に置いて出かけてしまうこともあります。だから、ポケットが多い服を選んでカバンを持たないようにしているくらいで。でも、外出時に必要なものが玄関の手に取りやすい場所に並んでいたら少しは忘れものも減るかもしれません。
▲自分なりの使い方を生み出すのも楽しい。自宅にも自作の棚が多数あるそう
――多趣味で物が多い戸塚さんとしては、いろんな場所に収納を増やせるのも大きなメリットでしょうか?
戸塚:そうですね。じつは、僕も同じような棚を自宅のいろんな場所に自作していますが、かなり重宝しています。高さを変えられて、空間をうまく活用できるのがよくて。そういう機能が最初から仕様として付いているのは本当にありがたいと思うし、もっと多くのマンションに導入されてほしいです。僕が上京した頃にUGOCLOやBe-Fitが入っているマンションがあったら、絶対に入居してますもん。だから、新生活を始めるときにこういう選択肢がある人が少し羨ましい気もしますね。
>>「収納、間取りを自由にレイアウト。“動くウォークインクローゼット UGOCLO”の全貌とは?」はこちら
取材・文:榎並紀行 撮影:平林直己
WRITER
編集者・ライター。編集プロダクション「やじろべえ」代表。住まい・暮らし系のメディア、グルメ、旅行、ビジネス、マネー系の取材記事・インタビュー記事などを手がけている。X:@noriyukienami
おまけのQ&A
- Q.戸塚さんの「理想の住まい」を教えてください。
- A.戸塚:やっぱりガレージ中心に考えてしまいますね。今の住まいのガレージにはバイクを2台置けますが、それでも手狭に感じていて。バイクだけでなく車も置きたいし、等身大のフィギュアや趣味のものでいっぱいにしたい。本当の理想は、所ジョージさんの『世田谷ベース』のような空間。1階部分がすべて遊び場、みたいな家に憧れますね。
いとうせいこうが語る都心マンションで植物と暮らす新常識。「ハンギング&室内園芸」のすすめ