社員が語る
長谷工グループの未来とSDGs 2021年度特集

2030年に向けた長谷工グループのポジティブな未来づくりに、SDGsへの理解と積極的な取り組みが欠かせません。
長谷工グループの使命を示す企業理念と、日々の業務とのつながりを踏まえながら長谷工グループが目指すSDGsのゴールに向けて、現場で何ができるのか。
それぞれ業務の異なる7人の社員でディスカッションしました。

それぞれ仕事の内容は異なっても根底にある企業理念が羅針盤に

企業理念と現場の業務はどうつながっていくと思いますか。

安藤 長谷工グループの企業理念は「都市と人間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する」というもの。当社はマンション開発を中心とした企業ですから、住宅を創出する中で、住まわれる方々にとって最適なものを提供し続けることが求められています。住まいというのは、人と社会に大きな影響のある存在なので、その社会的責任に刺激とやりがいを持って仕事に取り組んでいます。
その中でも私は再開発事業を担当しています。その土地で暮らし続けるために、改修工事は必要不可欠ですし、特に大規模な法定再開発は、街区に住む方々だけでなく、もっと広く町全体のために何ができるのかという要素が重要になってきます。例えば隣町まで消防車が素早く移動できるための道路を街区内で整備するなど、周囲のステークホルダーの存在も考え、広い視点からものを見る必要があります。

小松 私の仕事内容も開発です。土地を購入する段階で、分譲マンション、賃貸マンション、老人ホーム、ホテル、最近なら物流など、なにが一番その土地に合うのかを、まず考えます。その点で、まさに最適な生活環境の創造だなと感じています。
用途にあった建物を建てれば、その後何十年も存在し続けることになるので、そこに暮らす方々のニーズにマッチするものを作っていかなければならないと思っています。

稲田 私の仕事は建設部門で、入社以来ずっと施工の現場業務を担当しています。小松さんと同様、オフィスや再開発など、分譲マンション以外の現場にも多く携わってきました。土地の仕入れから引渡し後の管理、修繕まで長谷工グループで一貫して取り組み、包括的な生活環境の創造に貢献できるのは、最大のストロングポイントですし、ひとつの事業をやり遂げた際には、企業理念とのつながりを強く感じることができます。

平位 私は設計部門で働いていますが、グループ会社を通じてエンドユーザーからの声が、我々設計部隊にも定期的に届く状況になっています。それらを受け取って、実際に住んでみての使い勝手やマンション管理の状況を再度検討、検証できるのが大きな利点です。「都市と人間の最適な生活環境の創造」に向けて、グループ全体として社会に繋がっているのを感じます。

村木 私はマンションの大規模修繕工事、リフォームを担当していて、グループの中ではもっとも川下に位置しています。
改修工事の場合、たとえば外壁の補修をしていても、壁の内側には住民の方々の暮らしがあります。住まいながら工事を行うという必要があり、いかに日常と変わらない生活環境を守っていけるかが大きなテーマです。
住民の方々の様々な生活環境を守るためにグループ会社からも情報を集め、よりよい方法を常に考えながら業務を行うことにやりがいを感じますし、今後も長くお住まいいただくために最適なものを提供することが社会貢献につながると思います。

皆川 私たちグループ各社は業務内容こそ違いますが、それぞれの現場で「最適な生活環境を創造し、社会に貢献する」という企業理念に向かって仕事をしているのは間違いないですね。これをベースに、円滑なチームワークを結成できればと考えています。

SDGs10目標の達成を通して社会の期待に応える企業へ

長谷工グループとしてSDGsにどう取り組んでいきますか。

伊藤 SDGsという言葉は、当初、聞き慣れなかったのですが、内容を知ると、これは意識的に実践すべきことだと感じました。SDGsの17目標のうち、長谷工グループは事業と関わりの深い10目標を特定しました。どれも重要な目標ですが、私の部署は分譲マンションの管理業務ですから、目標11「住み続けられるまちづくりを」は身近で、かつアクションしたいテーマだと思います。人が幸せに住み続けるには、魅力的なコミュニティが必要ですので、人と人とのつながりを醸成するため、私たちは2008年から毎夏「マンション打ち水大作戦」というイベントを行っています。
このイベントではお子様からお年寄りまで、同じマンションに暮らす方々が気軽に「打ち水」をしながら、コミュニケーションを楽しんでいただきます。昨年は新型コロナウイルスの流行で中止になりましたが、2008年から続くイベントで、約68万6,000世帯の方々に参加いただいています。この他にもさまざまなイベントを企画して、暮らす方々のコミュニティ形成の努力を続けています。

平位 私も目標11「住み続けられるまちづくりを」と、さらに目標15「陸の豊かさも守ろう」に注目しました。
11については、ここ数年、自然災害が全国で多発していて、長谷工グループでも早急に対策を考えなければいけないと思います。災害で建物が大きな被害を受けてしまうと、資産価値が毀損し、お客様の信頼も失ってしまう。そういうことがないよう、設計部門では災害に強い建物について検討を続けています。まさにSDGsの目標達成に向けて、アクションしなければなりませんね。
15「陸の豊かさも守ろう」については、木材の活用に注目しています。カーボンニュートラルが話題になっていますが、日本は国産木材が十分に活用されていないという問題があります。森林を維持管理するためにも、我々建設業として、木材利用をもっと推進していきたいと感じています。

安藤 安全安心な建物を提供できなければ、受注そのものが難しくなりますから、目標11は私の業務に大変関わりの深いテーマですね。再開発事業は将来にわたっての人の暮らしを支えるので、単純に住宅だけを見るのではなく、地域特性を踏まえることが重要です。また老朽化したマンションの建て替えや、メンテナンスしやすいマンションをつくるということも、目標11につながっていきます。

小松 災害対策は本当に大切ですね。また同時に環境に配慮した持続可能な開発を行うことも、目標11の実現に向けての重要なアクションです。総合地所では、住宅の断熱性や省エネ性能を向上したZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)マンションの開発、分譲も行っています。
分譲マンション以外の開発物件でも、立地と収益性に加えて環境への配慮が重要です。今から着手する物件が完成するのは3年後、4年後になるので、その頃にはさらに環境対策を求められるのではないかと感じています。

村木 環境に配慮したマンション開発は目標12の「つくる責任つかう責任」の実現に繋がりますし、私の業務にも深く関連しています。改修工事の提案なので、どうやったら廃棄物の発生を減らせるのかは、常に大きなテーマですし、お客様への訴求力にも関わってきます。
マンションの大規模修繕工事は、一般には12年周期と言われていますが、それを15年、18年に伸ばすなど、改修工事周期の長期化をすすめる提案を始めています。高耐久の材料や工法を用いた改修によって建物の長寿命化を推進したり、産廃排出のない工法を選ぶなど、目標12の達成を踏まえたアクションが、今後さらにできるのではないかと思います。

働きやすさと働きがい。そして集合住宅での住まい方をもっと豊かに

2030年に向け、持続的成長のためにできることは何でしょうか。

小松 私は3歳の子どもがいるのですが、新型コロナウイルスの流行がきっかけで在宅勤務が導入され、通勤時間を勤務時間に費やせるため、子育てと仕事の両立がしやすくなりました。子育て、介護、趣味などを重視する生き方など、様々なライフスタイルの人がいるので、2030年には時間と場所にとらわれず、だれもが働きやすい柔軟性のある職場環境が理想的です。SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」が実現できると思います。

稲田 私も目標8に注目しています。長谷工グループとしてマンション専業に近かった状況から、新たな事業分野、ビジネスモデルへの挑戦が求められていると思います。そのためにも、より魅力的で働きがいのある建設業界をつくり、優秀な人材を確保する必要があります。
現場は高齢の職方さんが増えているというのを肌で感じますし、危機感があります。2030年に向けて、若い人が率先して、この業界に入りたいと思えるようなことをしていくのが、持続可能な社会をつくるため、私たちの責任としてやるべきことだと思います。

平位 2030年に向けて、少子高齢化はやはり大きなポイントです。今は新築分譲マンションの仕事がメインですが、人口が減少する中で、すでにお客様が住まわれている建物のリノベーションや、リソースの活用も大事になってくるでしょう。
今後、マンション業界は川上から川下へ、一方通行の流れ方をするのではなく、川上と川下の対話が必要です。目標11「住み続けられるまちづくりを」を念頭に、長谷工グループだからこそできることがたくさんあると思います。

安藤 そうですね。今回、座談会に参加させていただいて、まさに川上から川下まで、異なる部署やグループ会社の人と出会い、違う視点からの意見も聞けたので、SDGsについてもより理解が深まった気がします。今後の社会変化を踏まえると、長谷工グループができることはたくさんあります。人口問題など社会変化に対応した大きな視点で、まちづくりができる企業に発展できればと思います。

伊藤 今や数字を伸ばすだけでは優良企業として認められず、いかに事業を通じて社会に貢献を行うかが重要ポイントになりますね。SDGsを考えることで、私自身の意識も変わったと思います。今後は周囲の社員、後輩などに伝えて、個人個人が意識を変えるようにサポートするのが、私のできる最初の活動だと感じています。

皆川 SDGsに貢献することで、2030年の長谷工グループはマンションのトップメーカーであることはもちろん、顧客満足度を高めて、もっとも期待され、信頼されるナンバーワンブランドの会社になっていたいと思います。そしてグループの総合力をいかして、多様なライフスタイルを提供できれば素晴らしいですね。

  • 歴史をふりかえると、長谷工グループは「集合住宅で暮らす」という新しいライフスタイルをつくり、その中で必要とされる管理、修繕リフォーム、住み替え、さらに高齢者事業、保険サービスや人材紹介事業など、さまざまなサービス提供の分野に対しても取り組んできました。まさに人が集まって暮らすという文化を、長い時間をかけてつくってきたのです。
    今後、SDGsの目標達成のためにチャレンジしていくことで、グループはより強くなっていくでしょう。またグローバルな視点で見ると、国内でやってきたことを世界に向けて輸出するという発想を持つこともできるのではないでしょうか。
    2030年に向けての新たな目標。そしてバックキャストで考えて実行していけば、未来の住まい方を創造するトップランナー企業になれるのではないかと夢が広がります。