長谷工グループは、企業理念「都市と⼈間の最適な生活環境を創造し、社会に貢献する。」の実現に向け、気候変動対応を重要な経営課題と位置付けています。長谷工グループ気候変動対応方針「HASEKO ZERO-Emission」に則り、2050年カーボンニュートラルを目指しています。
長谷工グループは以下を基本姿勢として、気候変動対応に取り組むこととする。
2021年12月16日制定
TCFD提言に基づく開示については、以下をご参照ください。
| 取組み項目・KPI | 目標数値 |
|---|---|
温室効果ガス(CO2)排出量削減
|
2030年度 ▲42%
2026年度 0 2030年度 ▲13% |
| 再生可能エネルギー電力の導入 (グループ会社・オフィス等含む) |
2026年度 100%
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| H-BAコンクリートの採用件数 | 2030年度 50%以上 |
ZEH-M対応
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毎年度 100%
2030年度 100% |
長谷工グループは、上記方針に基づき、温室効果ガス(CO2)総排出量を指標として削減目標を設定し、2030年目標についてSBT(Science Based Targets)認定を取得しました。
また、削減目標の達成に向け、具体的計画を定め進捗を図っています。

| 対象 | 2020年度実績 (基準年度) |
2030年度目標 | 2050年度目標 |
|---|---|---|---|
| Scope1+Scope2 | 60,382 t-CO2 | 基準年度比▲42% | 基準年度比▲100% |
| Scope3 | 5,495,690 t-CO2 | 基準年度比▲13% | 基準年度比▲37% |
長谷工グループにおけるCO2排出量削減目標および実績は下記の通りです。
・Scope1+2について、建設現場数は前年度同等でしたが、Scope2の削減が順調に推移しており、基準年度比16.6%の減少となりました。
・Scope3について、資材調達量や解体物件の廃棄物量等が売上げに伴い増加したことにより基準年度比3.5%の増加となりました。
算出範囲・実績数値の詳細は、ESGデータをご参照ください。
| 2025年度まで | 2030年度まで | 2050年度まで | ||
|---|---|---|---|---|
| CO2削減目標 (2020年度比) |
Scope 1・2 ▲42% Scope 3 ▲13% |
Scope 1・2 ▲100% Scope 3 ▲37% |
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| Scope 1 2020年度実績 3.9 万t-CO2 (Scope 1・2 の64%) |
建設現場 |
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| オフィス等 |
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| Scope 2 2020年度実績 2.2 万t-CO2 (Scope 1・2の36%) |
建設現場 |
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| オフィス等 |
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| Scope 3 2020年度実績 550 万t-CO2 |
建設資材等 (Category1) |
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| 建物の使用段階 (Category11) |
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施工段階で排出するCO2のうち、約90%が軽油利用に起因するものであることから、燃料使用量の低減につながる取り組みを推進しています。
主な取り組みは下記の通りです。
建設現場で発生する産業廃棄物は、品目ごと(木くず、廃プラスチック類、混合廃棄物等)に分別し、指定会社で処分を行っています。その中で混合廃棄物は、かなり削減されたものの現場の着工から竣工までの長い期間にわたって発生しています。東京地区は指定6社12工場、関西地区は指定6社11工場の中から現場に近い処分会社を選定し、廃棄物の運搬距離を短縮させています。
また、掘削工事から発生する土砂を場内埋戻し土としてできるだけ利用しています。収集や排出運搬効率が向上しダンプ台数を低減させることでCO2排出量の削減を図っています。さらに、場外に搬出された建設残土の大半は埋立処分されており、埋立てによる環境破壊の原因にもなるため、残土の搬出量を減らすことで、環境保護にもつなげていきます。
長谷工シニアウェルデザインが運営する高齢者向け施設の厨房から排出される廃食油について、三和エナジーがバイオディーゼル燃料(B5)※に精製して建設現場の建設機材に使用する軽油の代替燃料として供給する「廃食油活用システム」を構築しました。
本バイオディーゼル燃料を使用することによりCO2排出量を軽油と比較して5%削減することが可能となります。
今後は長谷工不動産・総合地所等が開発するマンションや長谷工コミュニティが管理するマンションから排出される廃食油も活用し、同様の取り組みを検討推進していきます。

芝本社ビルでは2024年4月に電気自動車8台を導入、大阪平野町ビルでは2025年9月にガソリン車2台を電気自動車へ切り替え予定です。
認知症デイサービスを行うふるさとの送迎車は、2023年3月に社用車139台のうち21台であったハイブリッド車を2024年度には51台に増加。さらに、2025年3月までに送迎用の全社用車をすべてハイブリッド車へ切り替え予定です。
長谷工コーポレーションの建設現場は2023年5月に、長谷工グループの建設現場は2025年3月に100%再エネ化を実現しました。
2026年末オフィスや保有施設で使用する電力の100%再エネ化に向け、2024年度は、自社保有オフィスビル並びに1棟借りオフィスビルを中心に再エネ電力へ切り替えを行いました。賃借物件において再エネ電力への切り替えが難しい場合等には、非化石証書の購入よる実質的な再エネ化を進めています。
2024年度、グループオフィスにおけるScope 2排出量は前年度比21.3%の減少となりました。
外部の発電事業者と連携して、建設作業所で発生した木くずを燃料の一部にしたバイオマス発電による再生可能エネルギーを、建設作業所の仮設電力として使用する資源循環の取り組みを導入しています。
この取り組みでの発電に際して発生するCO2排出量は、従来供給の火力発電による電力に比べ少なく、電力供給によるCO2排出量の削減につながります。

長谷工コーポレーションは、カーボンニュートラルの実現を目指し、バイオマス発電事業などへ参画しています。
奈良県生駒市では、TJグループホールディングスが行う、木質バイオマス発電事業に参画しています。本事業の発電燃料には、近畿地域で発生する木質廃棄物・未利用木材等が使用されており、近畿地方の需要家への発電燃料を含めた地産地消電力の供給が可能となっています。(2025年4月商業運転開始)
三重県松坂市では、パワーエイド三重合同会社が行う、完全NON-FIT型木材・製造業生産副産物ハイブリッド燃料による脱炭素電源開発事業に参画しています。本事業は、各所より排出されるリサイクル木材チップおよびプラスチック系資源を発電燃料としており、これにより排出先行政の廃棄物処理業務の負担を低減しつつ、地域における資源・エネルギー循環経済の構築にも貢献していきます。(2025年1月商業運転開始)
また、奈良県生駒市の発電所の電力は、オフィスや長谷工グループ各社の建設現場等に供給されています。
「H-BAコンクリート」は、普通ポルトランドセメントと高炉セメントB種を併用して製造することで、従来の普通コンクリートに置き換えが可能な高い汎用性があり、かつコンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量を約20%削減する環境配慮型コンクリートです。
これまで、「ルネ横浜戸塚」(神奈川県横浜市戸塚区、総戸数439戸)の共用部の一部への採用や、学生向け賃貸マンション「Feel G Residence」(兵庫県神戸市西区、総戸数120戸)での全面採用(基礎・地上躯体)など実績を重ねておりました。2022年8月、この「H-BAコンクリート」が住宅性能表示において「評価方法基準※1」に従った方法に代えて評価する方法と認められる「特別評価方法認定※2」を国土交通省より取得したことで、初めて、住宅性能表示を用いる分譲マンションへも採用できることとなりました。
特別評価方法認定を踏まえ、東京地区では「ザ・ケンジントン・レジデンス上池台」(東京都大田区、総戸数42戸)、関西地区では「ルネ江坂 江の木町」(大阪府吹田市、総戸数149戸)に、マンションとして初めて建物の地上躯体に全面採用しました。長谷工グループ 温室効果ガス排出量削減目標達成に向け、2030年度H-BAコンクリート採用件数50%以上を目標に掲げて更なる普及促進を図っていきます。
| 2017年度 | 2020年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 使用量(㎥) | 125 | 25 | 2,945 | 2,361 | 37,594 | 43,050 |
| CO2削減量(t-CO2) | 6.2 | 1.1 | 162.6 | 140.8 | 2,186.2 | 2,496.9 |
長谷工グループでは2014年からマンションの木造化・木質化に取り組んでおり、これまでにマンションの共用棟のほか、共用部や専有部最上階で木造・RC造のハイブリッド構造を実現してきました。2025年7月現在、竣工済みの物件は20件、施工中の物件は9件となります。
また木造化・木質化の取り組みを通じて、「居住者の心身の健康や幸福感にも大きく寄与できる」と考えており、環境負荷低減にとどまらない住環境の質的向上も目指しています。
長谷工版BIMシステムを木造にも対応できるように拡張し、基本設計・実施設計で活用した上層4層を耐火木造化する賃貸マンション「ブランシエスタ目黒中央町」が2025年3月に竣工しました。本マンションは、国土交通省の補助事業「令和4年度第3期 優良木造建築物等整備推進事業」に採択されています。将来的には高層物件の木造化にも挑戦するほか、賃貸マンションのみである現状から分譲マンションの展開へとステージを進めたいと考えています。
長谷工グループでは、集合住宅の省エネルギー化の実現が、脱炭素社会の実現に向けて大きく貢献できる分野であると認識し、ZEH-Mの普及に取り組んでいます。
マンションデベロッパー事業を行う長谷工不動産ならびに総合地所をはじめとした、当社グループが主体となって開発する新築マンションのZEH化を推進し、2022年度以降に設計着手する全ての分譲マンション・自社保有賃貸マンションについて、ZEH-M Oriented基準を満たしたものとしています。なお、ZEHに対するこれまでの取り組みとして、長谷工不動産・総合地所が「ZEHデベロッパー」※1に、戸建て住宅事業を行う細田工務店が「ZEH ビルダー」※2に登録しています。
また、当社グループが施工する新築マンションにおいても、2030年度までにすべての物件をZEH-M Oriented仕様とすることを目指しています。2024年度、ZEH-M Oriented以上の基準を満たした着工事業件数は61件となりました。
経済産業省に設置されている「集合住宅におけるZEHロードマップ検討委員会」により、階数別の集合ZEHが下記の通り定義されています。住棟部分のZEHと住戸部分のZEHそれぞれが独立して評価されます。
| 評価基準 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 住棟または 住宅用途部分 |
区分 | ZEH-M | Nearly ZEH-M | ZEH-M Ready | ZEH-M Oriented |
| 断熱性能 | 全住戸が強化外皮基準(ZEH基準)を満たすこと | ||||
| 省エネ率 | 省エネのみ20%減 | ||||
| (共用部含む住棟全体) | 再エネ含め100%減 | 再エネ含め75%減 | 再エネ含め50%減 | — | |
| 目指すべき水準 | 1~3階建において目指すべき水準 | 4~5階建において目指すべき水準 | 6階建以上において目指すべき水準 | ||
| 住戸 | 区分 | ZEH | Nearly ZEH | ZEH Ready | ZEH Oriented |
| 断熱性能 | 各住戸が強化外皮基準(ZEH基準)を満たすこと | ||||
| 省エネ率 | 省エネのみ20%減 | ||||
| (各住戸) | 再エネ含め100%減 | 再エネ含め75%減 | 再エネ含め50%減 | — | |
「集合住宅におけるZEHロードマップ検討委員会とりまとめ」より引用・編集
地球や周辺環境に配慮したマンションを設計するため、省エネルギー、省資源、周辺環境配慮、ロングライフ、健康配慮、廃棄物削減、地球環境配慮に関する設計提案内容が一覧化された「環境配慮チェックシート」を活用した設計提案を行っています。
2024年度は、103物件のプロジェクトにおいて、チェックシート項目の「提案件数に対する採用件数95%以上」を目標に運用し、以下の結果となりました。
| 提案件数 | 採用件数 | 採用率 | |
|---|---|---|---|
| 環境配慮設計の状況 | 5,198 | 5,117 | 98.4% |
CO2排出量が少ないマンションを設計するため、建築物省エネ法に基づいたWebプログラムを用いて案件ごとに算出された、住戸部分および共用部の一次エネルギー消費量の基準値と設計値をCO2排出量に換算し、削減率として算定する「CO2排出量算定シート」を活用し、CO2削減率の算定を行っています。
2024年度は、104物件のプロジェクトにおいて、「CO2削減率10%以上(建築物省エネ法基準値比)」を目標に運用し、以下の結果となりました。
| 基準値 | 設計値 | 削減量 | 削減率 | |
|---|---|---|---|---|
| CO2削減率の状況(t-CO2/年) | 59,920 | 43,132 | 16,789 | 28.0% |
細田工務店では、地球環境に寄与する「住まいづくり」、「街づくり」を目指し、環境負荷低減や環境共生を意識した商品を積極的に提案しています。
利便性や快適性といった生活の質を向上させつつ、社会全体の省エネルギー化を実現していくために、住宅の省エネルギー性能を高める取り組みを続けています。外壁や窓の断熱性能などを高めること、建築物の総エネルギー消費量を抑えることで、長期優良住宅基準(5-1 断熱等性能等級:5、5-2 一次エネルギー消費量等級:6)を標準としています。さらに、2030年頃までに断熱等級6を標準とすることを目指していきます。また、CO2排出量を低減する「認定低炭素住宅」、「断熱性の確保」と「設備 の効率化」により省エネ性能をより一層向上させる東京都独自の「東京ゼロエミ住宅」に取り組むとともに、住まいの断熱性能や省エネ性能を向上させ、太陽光発電などで生活に必要なエネルギーを創り、年間の一次消費エネルギー量を正味(ネット)でゼロとする住宅「ZEH(ネット‧ゼロ‧エネルギー‧ハウス)」の供給にも取り組んでおり、2024年度では86棟の実績となります。

人と住まいを取り巻く「環境」をよりよいものにしていくために、環境に配慮した住宅と街づくりを重視し、「地球にやさしい」、「まわりの環境と親しむ」、「健康で快適であること」という考え方にもとづいた環境共生住宅の「システム供給型」認定を受けています。住宅のハード面の性能だけでなく、日当たりや風の流れを大切に考えた設計を行い、建物周囲の豊富な植栽、輻射熱の緩和や雨水の調整・利用をはかるなど、環境と調和する街づくりを進めています。
長谷工あんしんデリは水稲(お米)を中心に農業を営む会社として、2015年1月に設立しました。
日本では農薬や化学肥料を使う「慣行農業」が一般的ですが、長谷工あんしんデリでは脱炭素や環境に配慮した生産を実践しています。
一例として、適期に水田の水を1~2週間落水させることで、増収・品質向上させる「中干し」という水稲作の農法がありますが、長谷工あんしんデリでは期間を更に1週間程度延長することで、米の収量への影響を抑えつつ、メタンの発生量を削減しています。
「長期の中干し」を主とした、脱炭素や環境に配慮した生産で、2024年度は48.4t-CO2を削減致しました。
世界で排出される温暖化ガスのおよそ4分の1は農業分野によるもので、更なる削減と事業との両立を目指し、堆肥を活用して化学肥料の使用量を減らすなど、現行より多くの脱炭素につなげられる有機農業への転換を推進していきます。
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