2003年07月31日
長谷工コーポレーションは、この度、住宅の品質確保の促進等に関する法律(「品確法」)に基づく住宅性能表示制度(温熱環境*1)に対して、独自の断熱仕様による住宅性能評価を可能とする型式性能認定を、集合住宅としては初めて(財)建築環境・省エネルギー機構(東京都千代田区)から取得しました。これに関連して、構造熱橋部における独自の断熱工法に関する国土交通大臣の特別評価方法認定(「特認」)も取得しました。これにより、集合住宅における最高等級(等級4)の省エネルギー性能及び結露防止性能を、ローコストで実現することが可能となりました。
一般的に集合住宅の省エネルギー性能は高いと言われておりますが、住宅性能表示制度における最高等級(等級4)の仕様基準では、開口部の複層ガラス採用や、壁の断熱材を厚くするなど高い断熱性能が要求されるとともに、原則として二重床仕様とする必要があるため、建築コストが大幅に増加することとなります。
今回取得した型式性能認定では、(1)適用地域を首都圏・近畿圏*2に限定し、更にそれぞれを二つの地域(A地域,B地域)に区分けすることで、妻側住戸の一部を除き、開口部は単板ガラス仕様での対応が可能となります。(2)構造熱橋部の結露対策においては、『(仮)HSI工法』(特許出願中)を開発し、直床仕上げにて高い断熱補強を実現します。
また今回、型式性能認定を取得したことにより、性能評価機関での審査内容が大幅に省略されることで、評価に要する時間を短縮することができます。
当社では、これまでも独自の結露対策や24時間換気システムの開発など、省エネルギー性能向上、結露防止技術の研究開発に取り組んでまいりました。今回の型式性能認定、及び「特認」取得もその1つであり、省エネルギー性能向上による地球温暖化防止や結露の発生防止などを居住環境の向上を実現する一連の技術と位置づけ、これまでの成果と併せてマンション事業主に積極的に提案してまいります。
*1:住宅性能表示制度における「温熱環境に関すること」をいい、省エネルギ
ー対策等級1~4により表示される。
*2:省エネルギー基準のⅣ地域で、最寒月の日最低気温の平年値が0℃以
上(A地域)または -1.5℃以上(B地域)で、かつ年間暖冷房負荷が
460MJ/㎡年以下の地域を指す。
【住宅性能表示制度「温熱環境に関すること」省エネルギー対策等級】
■省エネルギー対策等級:暖冷房に使用するエネルギーの削減のための
断熱化等による 対策の程度
|
等 級 |
説 明 |
|---|
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等級4 |
エネルギーの大きな削減のための対策(エネルギーの仕様の合理化に関する法律の規定による建築主の判断の基準に相当する程度)が講じられている |
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等級3 |
エネルギーの一定程度の削減のための対策が講じられている |
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等級2 |
エネルギーの小さな削減のための対策が講じられている |
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等級1 |
その他 |
【認定型式適用地域】
首都圏適用地域図
近畿圏適用地域図
* 適用地域の条件は最寒月の日最低気温の平年値かつ年間暖冷房負荷
460MJ/㎡年以下であり、上図とは若干異なる場合があります。

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