2005年07月22日

 長谷工コーポレーション(以下「長谷工」)は、自社で設計・施工するマンションの品質を高めるため、設計監理部の指導のもと、品質に大きく影響する鉄筋工事の施工を、協力会社と一体になって検査・管理する体制を整えました。工事着手前の検討を始め、現場での協力会社との入念な打ち合わせ確認、さらに現地での配筋検査という3段階の検査体制を構築し、鉄筋工事の施工精度を高めます。こうした体制により、自社で設計・施工するマンションの品質をさらに高めるとともに、作業員の技能の向上に努めてまいります。

 マンションにおいて構造躯体は、大変重要な役割を担っており、鉄筋工事の施工精度はそのまま完成したマンションの品質に直結するといっても過言ではありません。鉄筋工事は、専門の技術をもつ鉄筋工事会社が協力会社として参加し施工しています。鉄筋工と呼ばれる技能者を抱えており、そのリーダー的な役割を果たす技能者を職長と呼んでいます。実際の現場では、この職長が設計図(構造図)や施工図を見て配筋する鉄筋を拾い出し、「加工帳」といわれる絵符を作成、さらに加工帳をもとに鉄筋加工場で所定の長さに切断したり曲げ加工した上で現場に搬入して取り付ける――方法が一般的に行われてきました。

 長谷工では、こうした状況を踏まえた上で、鉄筋工事の精度や品質を確保するためには職長の技能のさらなる向上が不可欠と判断し、専門部署として「施工品質検査部」を昨年1月に設置して、設計監理者および協力会社と一体になった検査・管理体制を整えてまいりました。中核となる協力会社に協力を要請し、現場でも新たな体制での検査・管理を実施しています。

【具体的な実施内容】
  1. 鉄筋工事着手前に鉄筋の納り図(組み手図)の作成
  2. 設計図書の内容を把握し、「どのように鉄筋を加工するか」「どのように配筋すればうまくいくか」などを検討しながら納り図を作成します。
  3. 現場における加工打ち合わせ確認
  4. 現場職員、協力会社の担当者、職長らを交えて打ち合わせを実施します。使用する鉄筋材料の種類・形状・長さ・位置などを確認、また建築基準法・配筋指針・JASS5、さらに長谷工独自の仕様などのルールの再確認をします。これにより、経験からくる知識や思い込み等々、間違った知識による施工ミスを防止します。
  5. 現地での配筋検査の実施
  6. 実際に打ち合わせ通りに施工されているかを現地で検査します。施工時点で協力会社の代人・職長による自主検査を実施するとともに、施工品質検査部の部員が全ヶ所検査を目標に、施工不良箇所の是正に努めます。
 今回の検査・管理体制の整備によって、配筋ミスや施工不良などの問題を事前に察知し防止することが可能になり、手戻りが少ない施工が実現できます。加えて、鉄筋工の技能向上を図ることにもつながり、その結果、発注者や顧客に満足してもらえる品質が確保できるものと期待しています。

 長谷工は現在、東京地区で約110カ所のマンション工事を進めていますが、今後更に工事ボリュームが増大する予定です。今回の体制の構築により、マンション施工の品質確保に努め、施工品質検査部の人材の拡充・強化を図っていく予定です。

 

【検査風景】


【打合せ風景】

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