2017年10月04日

 長谷工グループは、このたび、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する『2017年度グッドデザイン賞』に、「ミライフル(サイホン排水システム)」、「UGOCLO(ウゴクロ)」、「白岡ニュータウン」、「リフレ新白岡コミュニティガーデン街区」、「ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ」の5件が受賞しました。
 長谷工グループでは、今後も生活者からの支持が得られる商品づくりや、住まい・街づくりの提案に力を入れてまいります。

■受賞プロジェクトの紹介



(1)「ミライフル」(サイホン排水システム)・・・・・・・・・・(住宅・住空間)

※ベスト100選出
※受賞;野村不動産㈱・㈱ブリヂストン・㈱長谷工コーポレーション

【概要】
水まわりのレイアウトの自由度を高め、家族の暮らしを受けとめる住まいを実現
 水が落ちることにより発生する吸引力を利用した「サイホン排水システム」をキッチンに導入したことで、キッチンのレイアウト変更が可能になり、(1)多様なライフスタイルに合わせ、キッチンを大胆に配置したプラン(2)子供が独立した後の夫婦二人の豊かなシルバーライフや、介護が必要になった時のバリアフリー対応など、ライフステージの変化に合わせて間取りを変える「可変性」が実現しました。人々の暮らしや家族の在り方がますます多様化するこれからの時代に、その多様性を受け止める「住まい」を提供してまいります。
【審査員コメント】
 水勾配を細部まで処理することにより排水の自由度を作るデザインに昇華している。集合住宅の間取りの自由度を高めていく画期的な提案である。これまで、排水のメイン管に近づけることしか実現していなかったキッチンの位置をリビングの真ん中など自由に移動することができることで設計者のデザインの幅を広げる。暮らし方が人によって変わっていく時代に間取りの自由度が上がることにより、集合住宅の風景が変わることが期待される。

※イラストでは、構造をかなり簡易表示しています

 

 

(2)「UGOCLO(ウゴクロ)」 ・・・・・・・・・・(その他住宅・住空間)

※受賞;㈱長谷工コーポレーション、㈱フォリス
【概要】
家族の成長や使い勝手に合わせて可動収納ユニット両側の居室とその間の空間の広さを自由に変更
 背中合わせに配置した2組の可動収納ユニットを、それぞれ平行に移動させることで、可動収納ユニット両側の居住空間と、その間の収納空間の広さが自由に変更できる、マンション用の新しい間取り可変システム。居住者自身で簡単に居室と収納空間の大きさを変更することができるため、大掛かりなリフォームをしなくても、将来の家族数やライフスタイルの変化に対応したり、家具や収納物に合わせて柔軟に間取りを変化させることができます。
【審査員コメント】
 可動家具というアイデア自体は決して目新しいものではないが、これは二つの家具を組み合わせている点が新鮮である。二つの家具を移動することで、部屋の大きさ、収納の大きさが連動しながら変化し、収納量、部屋の大きさに多くの選択肢を与えてくれる。家族の変化や収納量の増大など、様々なニーズに的確に応えられそうであるし、可動家具でありながら、まるで造作家具のように精度高く住空間に収まるところも魅力である。

 

 

(3)白岡ニュータウン  ・・・・・・・・・・(戸建て・宅地)

※受賞;総合地所㈱
【概要】
1980年代後半より入居が始まった1,300戸からなる郊外ニュータウン
 短期間の開発により住民の高齢化が懸念されるニュータウン開発の実状を鑑み、プランナー石原舜介氏の指導により行政との対話を30年以上継続しながら、ゆっくり段階的に進行した開発です。
 南北軸によるニュータウンは、明るい道路と緑道・公園によるネットワークを形成し、2段植栽や2階のセットバックなどの形態ルールにより統一感ある街並みを実現。また2017年で設立29年を迎える自治会があり、景観維持や防犯のための精力的な活動が行われています。
 現在は30年にわたる新規開発がほぼ終了し、初期分譲街区の空き家を更新するなど、ニュータウンは新しい開発サイクルを迎えています。
 総合地所は、開発事業社として同じ場所に営業拠点を構え、当初より継続してコミュニティに寄り添ってきました。
【審査員コメント】
 活発な住民活動、適正な年齢分布、販売価格の維持が特徴のニュータウンであるが、これらは30年以上をかけて段階的に分譲してきた成長管理型の開発姿勢はもとより、住民組織を育むアーバンデザイン上の配慮の賜物であることが評価された。つまりそれらは、緑道・街路パターン、小規模集会所の分散、街路デザインであり、その効果は日常生活そのものに影響を与えるデザインであるといえよう。コミュニティのデザインが、一過性の賑わいによって表現されがちな昨今の風潮に対して、日常の生活そのものとして示されたプロジェクトであるとも言える。

 

 

(4)リフレ新白岡コミュニティガーデン街区 ・・・・・・・・・・(戸建て)

※受賞;総合地所㈱、藤村龍至(アール・エフ・エー)
【概要】
「白岡ニュータウン」内の一画に建つ5棟の分譲住宅
  建築家藤村龍至氏(アール・エフ・エー)と協働し、2段植栽や2階のセットバックなど既存のまちなみの形態ルールを尊重しながらも、これまでの街区とは異なった、緩やかに連なる庭や大きなウッドデッキを持つ街区を計画。外部空間に積極的に開かれた住宅と外部空間が互いに連続した街区により、ニュータウンに新しい価値観を持った入居者を招き入れ、街の活性化・新しいコミュニティの在り方の提案を図りました。
 変形街区に「5棟の建物」と「2台の駐車場」というルールを決めてから区割りを行い、「仲間と集えるデッキのある庭」、「家庭菜園の庭」、「季節の花木を眺める庭」など利用を明確にした外部空間の提案をしています。核家族のスケールを超えたおおらかな空間の考え方により、これからのニュータウンにおける住宅のあり方を示しました。

【審査員コメント】
 分譲住宅団地において宅地をまちに開く試みで、特に住宅内部とまちとの境界にあたる庭・ウッドデッキの作り方が優れている。境界部分のデザインによって、新規入居者同士のみならず、ニュータウン全体の地域コミュニティを育むきっかけになりうるのではないかと予感させる。今後、この取り組みがニュータウン全体に波及していくことを期待する。

 

 

(5)ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ  ・・・・・・・・・・(集合住宅)

※受賞;京阪電鉄不動産㈱・総合地所㈱・㈱長谷工コーポレーション
【概要】
住まう方が想像し住まいに求めた「コト」を実現する「モノ」づくりの挑戦として生まれたコミュニティ
 「コト」を叶えるための建物配棟計画、1万3千本以上の木々や花々、カフェ、バーベキュースペース、ラウンジ、DIYルームなど事前のアンケートで希望の多かった共用施設などの「コト」を演出するための広大な舞台。それは、「入居者の方々にとって本当の資産価値となるマンションとは何か」という問いに対する私たちの答え「マンションコミュニティという無形の資産価値」から生まれました。
 「モノ」よりも、コミュニティを生み出す「コト」を重視し、たくさんの「出来事」を生む「モノ」づくりにより、338家族がコミュニティという花を咲かせ、感動や喜びをシェアすること自体が資産価値になるという発想に基づき、そのための舞台をデザインしました。
【審査員コメント】
「何を作るか」ということから考えられているのがポイントである。アンケートに基づいて作られていることが興味深い。
配置計画で大きく残した中庭空間が様々な活動の舞台となり、周辺にちりばめられたDIY工房などが空間を楽しむためのサービスインフラとして呼応しているなど、新しい住み方があることを想起させる。

 

受賞プロジェクトの概要


「白岡ニュータウン」
種別:戸建て・宅地 所在地:埼玉県白岡市新白岡
交通:JR宇都宮線(JR上野東京ライン・JR湘南新宿ライン)「新白岡」駅よりタウン入口まで徒歩3分
総区画数:1,261区画(造成換地含む)
開発総面積:495,357.51㎡
設計会社:西武建設株式会社他
造成施工:株式会社熊谷組・前田建設工業株式会社


「リフレ白岡コミュニティガーデン街区 」
種別:戸建て
所在地:埼玉県白岡市新白岡1丁目9-4他
交通:JR宇都宮線(JR上野東京ライン・JR湘南新宿ライン)「新白岡」駅徒歩5分
総棟数:5棟
敷地面積:170.57㎡~246.79㎡
延床面積:96.16㎡~131.77㎡
完成時期:平成28年5月20日
設計会社:藤村龍至(アール・エフ・エー)
施工会社:イトーピアホーム株式会社


「ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ」
種別:集合住宅
所在地:神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町3-16(住居表示)
交通:JR南武線「尻手」駅徒歩14分・「矢向」駅徒歩15分
総戸数:338戸(他に管理事務室1戸)
間取り/専有面積:3LDK・4LDK / 68.70㎡ ~ 85.50㎡
敷地面積:12,812.38㎡
建築面積/延床面積:5,600.38㎡/28,026.00㎡
構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上7階建
完成時期:平成30年3月下旬予定
設計会社:株式会社長谷工コーポレーション
施工会社:株式会社長谷工コーポレーション
売主:京阪電鉄不動産株式会社、総合地所株式会社、株式会社長谷工コーポレーション



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