2022年12月06日

 長谷工グループ(代表企業:長谷工コーポレーション、本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫)が取り組んでいる既存の企業社宅を全面改修し建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目指す賃貸マンション・プロジェクト「サステナブランシェ本行徳」(以下「本マンション」)は、国土交通省が実施する「令和4年度第2回サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」(以下「本事業」)において、「スマートホームシステムを導入した 未来住宅創造に向けた居住型実験住宅」として、先導的な技術の普及啓発に寄与する「次世代住宅プロジェクト2022」に採択されました。

 本マンションでは、「防犯対策の充実」、「物流効率化への貢献」、「その他(IoT 機器制御による照明・温湿度・映像による睡眠の質・疲労回復効果の検証)」の3つのテーマにおいて、先導的で創意工夫があるとの評価をいただいております。今後、子育て世帯・高齢者世帯など幅広い世帯のニーズに応える住生活関連の新たなビジネス市場の創出・拡大の促進を図るため、健康・介護、少子化対策等に寄与するIoT技術等を活用した住宅の実用化に向けた課題・効果等の実証を行ってまいります。

(※) 住宅(住宅設備機器を含む)において、IoT技術等を活用して、住宅や住生活の質の向上に資する取組テーマに該当する住宅・サービスに関して、実用化に向けた課題・効果等の実証を行うプロジェクトの整備費の一部を支援する事業

 【評価のポイント】

「防犯対策の充実」:集合住宅の管理人の人材不足や高齢化という社会課題に対し、画像解析による異常検知というAIを導入する点。

「物流効率化への貢献」:既存マンションにて、不在時の再配達削減や大型配達物への対応を目的に、各戸への宅配トランクルームや玄関スマートロックによる解錠を組み合わせて導入する点。

「その他(IoT 機器制御による照明・温湿度・映像による睡眠の質・疲労回復効果の検証)」:睡眠の質の向上(スリープテック)について、睡眠医学に基づいて独自開発したアルゴリズムを使い、睡眠の質を判定し望ましい条件について検証するスキーム。

・先端的技術の活用を、新築建物ではなく既存住宅の改修に対応させ、検証しようとする点。

・個人情報などセキュリティ上の検証を考察する際、多様な事業効果がある点。

【採択プロジェクトについて】
 
(概要)
 代表提案者:株式会社長谷工コーポレーション
 プロジェクト名:「スマートホームシステムを導入した未来住宅創造に向けた居住型実験住宅」
 取り組みテーマ:[3]防犯対策の充実、[6]物流効率化、[7]その他(IoT 機器制御による照明・温湿度・映像による睡眠の質・疲労回復効果の検証)
 
(取組の背景)
 ・生活をより良くする為に、ウェルビーイングの考え方を住宅に取り入れる動きが広がっている。
 ・睡眠・疲労回復の質を上げることが生産性向上へも繋がることから、最も注目されている。
 ・集合住宅において防犯・セキュリティについての意識も更なる高まりを見せている。
 ・IoT家電等により、上記課題への対応に加え、多様化する家族構成・住まい方の変化にも対応する取り組みが広がっているが、実際の利用に関するデータ蓄積が不十分である。
 
(事業の目的)
 ・自社で推進中の居住型実験住宅において、IoT技術を活用したウェルビーイングに寄与するシステムを導入し、実際の生活におけるセンシングデータ・アンケート等によりその効果を検証する。検証結果により、最高の睡眠に最適な住空間の実現を目指す。
 ・防犯・セキュリティシステムと再配達防止の両立を目指したシステムの実用性検証。
 
(テーマ別の提案概要)
 ■防犯対策の充実
 ・顔認証制御による自動ドアのセキュリティによる安全性、利便性の向上。
 ・共用部遠隔監視ネットワークカメラで常時監視し、AI 画像解析で異常検知・警告を行うとともに、建物不具合、駐車違反、放置物、ゴミ等の異常を検知し、管理人に知らせる。
 ■物流効率化
 ・置き配システムとして、集合エントランスのオートロック解錠、各住戸に鍵付きトランクルームの設置に加えて、大型宅配等の対応のため各住戸の玄関錠にスマートロックを設置して、再配達の削減を図る。
 ■その他(IoT 機器制御による照明・温湿度・映像による睡眠の質・疲労回復効果の検証)
 ・睡眠の質を向上させる。最新の睡眠センサーとIoT マネジメントシステムを組み合わせることで、睡眠の質にこだわった睡眠環境(温湿度・音・光・香り)の制御を実現し、その効果を睡眠医学の立場から認められた方法で検証する。
(参考)国土交通省 報道発表資料:https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001122.html
 
IoT技術等の概念図
【物件概要】
マンション名 サステナブランシェ本行徳
所在地 千葉県市川市本行徳5-16
交通 東京メトロ東西線 妙典駅 徒歩6分
敷地面積 1,651.83㎡(499.68坪)
延床面積 3,079.20㎡(931.46坪)
構造規模・戸数 鉄筋コンクリート造地上5階建36戸
既存建物完成 1990年2月(築32年)
改修竣工時期 2023年春頃
事業主 株式会社長谷工コーポレーション
設計 株式会社長谷工リフォーム
施工 株式会社長谷工リフォーム
 
【サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)について】
子育て世帯・高齢者世帯など幅広い世帯のニーズに応える住生活関連の新たなビジネス市場の創出・拡大の促進を図るため、健康・介護、少子化対策等に寄与するIoT技術等を活用した住宅の実用化に向けた課題・効果等の実証を行う事業に対して、実用化に向けた課題・効果等の実証を行うプロジェクトの整備費の一部を支援する国土交通省の公募事業。
国土交通省 サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)について:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000134.html
評価事務局ホームページ:https://project.nikkeibp.co.jp/jisedaij/

 

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