2011年08月08日

長谷工コーポレーションは、このたび、小型の非常用飲料水生成システム「WELL UPミニ」をオスモと共同開発しました。これまでも大震災発生後にマンション居住者の生活基盤を確保するための「防災3点セット」(非常用飲料水生成システム、非常用マンホールトイレ、かまどスツール)を、自社で設計・施工する大規模分譲マンションへ導入を進めてきましたが、「WELL UPミニ」の商品化に加え、東日本大震災をきっかけとして防災設備への評価・関心が高まったことから、今後は小規模分譲マンションにも積極的に採用提案してまいります。
当社は『お客様に安心・安全で快適な住まいの場を提供する』ことを経営方針に掲げ、マンションそのものの基本性能の確保はもちろんのこと、「震災・災害が発生した後の居住者の生活基盤を確保する仕組みづくりが重要」と考えてきました。
そうした観点から、2003年に非常用飲料水生成システムを国内で初めて分譲マンションに採用したのを皮切りに、2006年には自社で設計・施工する大規模分譲マンションに「防災3点セット」を採用すべく、事業主に提案を進めてまいりました。その結果、現在までに129物件に採用(設計・施工中を含む)しているほか、国内外の被災地への支援にも活用されています。

防災設備の採用経過・実績、被災地支援

  • 2003年 8月:芝本社ビルに「非常用飲料水生成システム」を設置
  • 2003年12月:分譲マンション「深沢ハウス」に「非常用飲料水生成システム」を国内で初採用
  • 2005年 2月:スマトラ沖地震への支援として「非常用飲料水生成システム」を3台寄贈
  • 2006年 4月:自社が設計・施工する大規模分譲マンションに「防災3点セット」の採用を促進
  • 2008年 7月:四川大震災への支援として「非常用飲料水生成システム」を3台寄贈
  • 2011年 3月:東日本大震災への支援として浦安市内のマンションに「非常用飲料水生成システム」を貸与(浦安市内のマンションに設置されていた非常用飲料水生成システムも実際に活用されました)

防災設備(非常用飲料水生成システム他)の採用実績は、129件・46,550戸
(当社設計・施工の分譲マンション・PFI住宅を集計。2011.6末時点で設計・施工中を含む。)

[東日本大震災での稼働風景]

防災3点セットの概要

  1. 1.非常用飲料水生成システム「WELL UP」、「WELL UPミニ」
    WELL UP(ウェルアップ)」は、高分子RO(逆浸透)膜を利用したシステムで、敷地内に掘った井戸や水槽・河川から取水し、スピーディーにろ過して飲料水を供給します。1日最大14.4t・約4,800人分の飲料水を供給でき、マンション居住者だけでなく地域への貢献も可能です。今回商品化された「WELL UPミニ」は、1日最大4.8t・約1,600人分の飲料水を供給できます。また、「WELL UP」と同様に電気の供給が途絶えても運転できるように、動力源に発電機を採用しています。

[WELL UP]

[WELL UPミニ]

  1. 2.非常用マンホールトイレ
    下水道に直結させる非常用のトイレで、災害による断水で住戸のトイレが使えないという悩みを解消します。災害時に敷地内のマンホールのフタを外して、マンホール枠に簡易トイレ(洋式便座)を設置するだけですぐに利用できます。鍵付きテントでプライバシーにも配慮しています。
  1. 3.かまどスツール
    日常は上部を腰掛け板で覆っていて屋外用スツールとして利用でき、災害時には腰掛け板を外すだけで、炊き出しかまどとして使用できます。

(参考)長谷工アーベストWEBアンケート(4/4~4/10)結果から抜粋(2011.5.2発表)

「安全・安心に住まう為に、住宅に重要なこと・必要なもの」について
安全・安心に住まう為に、住宅に重要だと思う項目の1位は『耐震性能等の建物構造(91%)』、2位は『防災対策(防災設備や簡易トイレ設置等)(56%)』となっています。また、これからの住まいに必要だと思うものとしては「非常時の水の確保、給水システム」、「食料や防災用品などの備蓄庫」、「炊き出しなどが出来る設備とスペース」、「日頃からの近隣コミュニケーション」等の声が聞かれ、安全を確保する建物の構造・設備の他『有事の際の対応』という視点が住まい選びの条件の一つになっています。

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