コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方・方針

当社は、お客さま本位の事業活動を通じて社会に貢献し、信頼を得ることを経営の基本方針としています。また、長期安定的に企業価値を最大化し株主の皆様の利益を確保するためには、経営における透明性と客観性の確保は不可欠であることから、コーポレート・ガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つと位置付けています。

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、「コーポレートガバナンス基本方針」を策定し、当社ウェブサイトにて公表しています。

会社の機関

当社は、会社の機関として監査役制度を採用しています。当社の取締役会は、各事業部門における専門的知識と経験を備えた取締役が、経営の意思決定と他の取締役の職務執行の監督を行い、経営の監視機能の面は、客観的、中立の経営監視の機能として、過半数の社外監査役を含む監査役会による監査が実施される体制をとっています。その上で、2016年6月より、豊富な経験と実績を持つ社外取締役を3分の1以上選任することにより、適切な意見や助言を受けて、取締役会における議論をさらに活性化させ、あわせて経営の監視機能を高めることとしており、取締役会の運営と経営の監視機能の面のバランスを踏まえた当社として最適な体制の構築を目指して取り組んでいます。また、社内取締役ならびに社外取締役のうち、それぞれ1名ずつ女性を選任しており、引き続き、取締役会の多様性確保に努めていきます。

取締役会から授権された一定事項の意思決定については、取締役の参加を一定限度にとどめた経営会議、営業執行会議及び技術執行会議で行うことで、意思決定とそれらを監督する機能の役割を分け、各取締役が他の取締役の職務執行の監督を行える体制をとっています。さらに、重要な取締役会決議事項についての事前審議機能についても、経営会議が担っています。

会社の機関・内部統制の関係図
会社の機関・内部統制の関係図

会社の機関の内容

  • 取締役会は、毎月1回の定期開催に加えて、必要に応じて臨時での開催を行うこととしており、経営に関する重要な意思決定及び定例報告の他、定期的に業務執行取締役より業務執行報告が行われています。
    なお、取締役会の決議につき特別の利害関係を有する取締役は、当該決議に参加することができないことを「取締役会規則」に定めています。また、同規則により、取締役の競業取引、会社と取締役間の取引又は取締役が第三者のため会社と取引をする場合、及び取締役への債務保証その他会社と取締役との利益が相反する取引については、取締役会の承認を得ることを定めています。
  • 指名報酬委員会は、取締役の指名・報酬等に関する手続きの客観性・透明性・公平性を確保し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会の諮問機関であり、全ての独立社外取締役及びその同数以下の代表取締役等にて構成しています。
    なお、2025年度における指名報酬委員会は4回開催され、全員が出席しております(療養による欠席を除く)。

    代表取締役社長のサクセッションプランについては、指名報酬委員会にて社外取締役全員と議論を重ね、具体的な人材像や選定プロセス等について策定いたしました。選任にあたっては、指名報酬委員会でサクセッションプランに基づき全取締役の経歴等を確認し候補者のすり合わせを行います。

  • 取締役会から授権された範囲で日々の業務執行事項に関する意思決定を機動的に行うため、経営会議及び2つの業務執行会議である営業執行会議及び技術執行会議を設置しています。その際、取締役の経営会議及び2つの業務執行会議への参加は一定限度にとどめることで、意思決定とそれらを監督する機能の役割を分け、責任と権限の明確化を図っています。なお、重要な取締役会決議事項についての事前審議機能については、経営会議が担っています。
  • リスク統括委員会は、四半期に1回の開催に加えて、重大リスク発生時には必要に応じて臨時で開催することとしており、リスク管理に関する社内規程やリスク予防計画等の策定及び改廃について検討、決定するほか、リスク管理に関する推進方針及び具体策等の討議決定が行われています。
  • サステナビリティ委員会は、取締役会の下部組織として設置しており、当社社長を委員長とし、各部門担当役員及びグループ各社社長等にて構成しています。サステナビリティに関する重要事項の審議・決定を行うとともに、活動状況のレビューを実施しており、本委員会の議案は取締役会にて報告及び決議がなされます。また、本委員会の下部組織としてサステナビリティ推進会議を設置し、実務的な事項について議論・審議を行っています。
取締役会・監査役会・指名報酬委員会の構成比率(2026年6月26日現在)
取締役会・監査役会・指名報酬委員会の構成比率

役員一覧

取締役・監査役一覧については、役員一覧をご覧ください。
社外役員の独立性要件については、コーポレートガバナンス基本方針別紙をご参照ください。

取締役のスキル・マトリックス(2026年6月26日現在)
氏名 役職 企業経営/経営戦略 財務会計 法務/リスク管理 海外事業 建設設計 営業/不動産 都市開発 技術/DX ESG/サステナビリティ
辻󠄀 範明 取締役会長        
池上 一夫 代表取締役 副会長執行役員        
熊野 聡 代表取締役社長      
三森 国吉 取締役 副社長執行役員            
山口 徹 取締役 副社長執行役員            
浅野 武彦 取締役 常務執行役員          
吉村 直子 取締役 執行役員            
一村 一彦 社外取締役        
長崎 真美 社外取締役            
小椋 敏勝 社外取締役        
藤井 健 社外取締役        
北森 信明 社外取締役      

役員トレーニング

当社では、取締役、監査役、執行役員、その他役職員について、当該役職に応じた教育体制を構築しています。
取締役・監査役については、「コーポレートガバナンス基本方針」において、「必要な知識・情報等の習得のためのセミナー等をメニューとして組み立て、トレーニング機会の提供・斡旋やその費用の支援を行う。」と定めており、これに従い、各取締役・監査役が自己研鑽のために参加したセミナー等の費用を負担しています。
社外取締役の就任時には、当社に対する理解を深めていただくためにガイダンスを実施し、当社の経営管理部門各部、その他各部門およびグループ会社各社から、事業・業務の内容や現状と課題等をお伝えしています。また、就任後も必要に応じて、施設・現場見学会等を実施し、当社の事業や個別案件についての理解を促進しています。社外監査役に対しても、当社に関する各種資料のご提供の他、前述の施設・現場見学会等の一部に参加いただく等により、当社事業に対する理解を深めていただくよう努めています。
また、執行役員や部長以上の幹部職員については、「経営者養成講座」として、「新任常務研修」、「新任役員研修」、「新・経営塾」、「経営講座」等の研修を実施しており、その研修内容には、当該役職に必要な知識に加え、将来の取締役・監査役候補の育成を図る観点から、取締役・監査役に必要な知識も含んでいます。

取締役会の実効性分析評価

2025年度の取締役会の実効性について、「コーポレートガバナンス基本方針」に則り、分析‧評価を行った結果、当社取締役会では建設的で活発な議論が行われており、実効性が十分に確保されていることを確認しています。なお、分析‧評価の概要および結果は以下のとおりです。

評価方法

全取締役および監査役に対して取締役会の実効性に関するアンケートを実施し、その結果と2025年度の取締役会運営についての事務局からの報告を踏まえた上で、2026年4月16日の取締役会にて、監査役会および各取締役からの意見表明に基づき審議し、取締役会全体の実効性を分析‧評価しました。

評価項目

①機関設計・構成 人数、独立社外取締役の割合、多様性、開催頻度、所要時間
②運営 付議事項の数・内容、付議資料の質・量、事前配布の時期、事前説明の質
③審議・機能 会議における建設的な議論・多角的な検討、気風、自身の役割・責務
④PDCA 指摘事項への対処、決議後の結果報告、改善への取組み

2024年度評価時の指摘事項への対応

  • 取締役会の本質的役割は経営の大きな方向性の決定と監督にあると考えるが、その機能が十分に果たせているとは言い難いとの指摘事項については、定例業務報告などの時間短縮による議論時間の確保や、取締役意見交換会を取締役会外で開催し精力的な意見交換を行うことで改善を図りました。
  • 事故や不正事案などが起きた際の対処・実施の報告に時間を要する場合があり、途中経過などの説明や共有を実施してほしいとの指摘事項に対し、重要事象を認識した段階で速やかな情報共有(一次発信)を徹底することで改善を図りました。
  • 取締役会の資料が多くまとまりに欠けていると感じる時があるという指摘事項については、必要書類の見直しを実施し分量を減らす対応を実施しました。

2025年度の評価結果と今後の対応

評価結果

2024年度の評価と比較すると、「審議・機能」の評価が低下したものの、全体としては各項目で一定以上の評価を得ており、取締役会の実効性は引き続き十分に確保されていると判断しています。

  • 国内外の政治・経済情勢や地政学リスクの高まり等不確実な内外情勢を踏まえ、足元の経営課題について活発な議論を行いました。
  • リスクの高い案件については、複数回の議論にて方針を決定するなど、慎重な意思決定を行いました。
  • 中期経営計画「HASEKO Evolution Plan」を中心に、重要案件は事前に取締役会とは別に意見交換の場を設け、多角的な視点から議論を行いました。
  • DXに関する取組み状況について定期的な報告を受け、将来を見据えた意見交換を実施しました。
  • 社会を取り巻く環境変化への対応として、サステナビリティへの取組み方針、気候変動対応、人権方針、ハラスメント等に対し、より高いレベルに達するべく活発な議論を行いました。

今後の対応

  • 取締役会の実効性をさらに高めるため、中期経営計画「HASEKOEvolution Plan」で掲げた重点戦略について、中長期的な視点からの議論を一層充実させていきます。
  • 守りの側面では、リスク管理やコンプライアンスなど企業が遵守すべき事案について、引き続き配意して取り組んでいきます。
  • 議論時間を十分に確保するため、定例業務報告を中心とした発表時間の短縮や資料の見直しなどを進め、経営戦略や資本政策に関する議論をさらに充実させていきます。

役員報酬

役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項

取締役の報酬は、コーポレートガバナンス基本方針に基づき、当社の取締役の報酬体系に従い、全ての独立社外取締役及びその同数以下の代表取締役等にて構成される「指名報酬委員会」での協議を踏まえ、社長が取締役の報酬支給基準を作成し、取締役会の決議によって決定することとしています。また監査役の報酬は、株主総会決議に基づく報酬額の範囲内で、監査役の協議により決定しています。当事業年度における指名報酬委員会は4回開催され、取締役の基本報酬に関する協議を行うとともに、取締役の基本報酬の支給基準を再確認しました。また、業績連動報酬の算定式及び業績指標の達成状況を踏まえた業績係数の適用について協議を行い取締役会への上程案を全員一致で承認しました。2026年5月15日開催の取締役会において提示案通りで決議しています。
なお、取締役の金銭報酬額は、2026年6月26日開催の第109期定時株主総会において、年額1,500百万円以内(但し1,500百万円の内、1,000百万円に関しては取締役賞与に対応する報酬とし、 普通株式に対する剰余金の配当が行われることを支給の条件とする)と決議いただいています。 当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は12名です。 また、2017年6月29日開催の第100期定時株主総会において、上記報酬限度額とは別枠で、 中長期的な業績の向上と企業価値の増大に資することを目的として、 取締役(社外取締役を除く)に対する業績連動型株式報酬制度を導入し、5事業年度ごとに320百万円を上限に拠出すること、および2021年6月29日開催の第104期定時株主総会において、5事業年度ごとに取得する株式の上限は360千株とするとの条件を付加して再設定することを決議いただいています。 導入に係る定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く)の員数は8名であり、 再設定に係る定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く)の員数も8名です。 なお、2026年6月26日開催の第109期定時株主総会において、 取締役(社外取締役を除く)に対する業績連動型株式報酬制度は 5事業年度ごとに1,680百万円を上限に拠出すること、および5事業年度ごとに取得する株式の上限は630千株とすることを決議いただいています。 当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く)の員数は7名です。
監査役の金銭報酬額は、年額150百万円以内とすることを決議いただいています。 当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は5名です。

取締役報酬制度の概要

a 報酬の構成
  • 取締役の報酬は基本報酬(固定報酬)と業績連動報酬にて構成しています。
b 基本報酬
  • 基本報酬は、職位毎に基準額を定め、毎月固定的に支給しています。
  • 職位・職責・在任年数に応じて当社の業績・従業員給与の水準及び他社水準を考慮しながら総合的に勘案し決定しています。
c 業績連動報酬
  • 業績連動報酬は役員賞与および株式報酬にて構成しています。
  • 経営計画達成及び企業価値の増大に対するインセンティブ効果が発揮されることや、資本コスト・株価を意識した経営や気候変動対応、人的資本経営の要請の高まりを踏まえ、業績および企業価値向上の目標達成度に応じ加減する仕組みとしています。
  • 業績連動の指標については、中期経営計画で連結経常利益を具体的な数値目標として掲げていることから連結経常利益の実績および期初予想値に対する達成状況を業績連動の指標としています。なお、副社長執行役員以下の取締役については担当部門の業績を加味して業績係数を決定しています。
  • 企業価値向上の指標については、収益力・資本効率の向上、人的資本(安全衛生含む)、気候変動対応それぞれの目標値に対する達成度としています。
  • 社外取締役、監査役は原則として業績連動報酬の対象外としています。

役員賞与算定式

  • 賞与額=職位別算定基準額×業績係数+取締役加算
  • 期末時点の職位に基づき、原則として毎年6月定時株主総会後に支給

株式報酬算定式

  • 付与ポイント=賞与額×0.3×企業価値向上係数/一株当たりBBT信託簿価
  • 期末時点の職位に基づき、原則として毎年6月1日にポイントを付与
  • 退任時までの累積ポイントを1ポイント=1株に換算し退任時に給付
d 基本報酬・業績連動報酬(役員賞与・株式報酬)の額に関する割合
  • 報酬の割合は、基本報酬:役員賞与:株式報酬=46:42:12を目安としておりますが、取締役(社外取締役を除く)の基本報酬・業績連動報酬の支給割合は、一定の算式に基づき、業績に応じて変動する仕組みとしています。

2025年度に係る役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる
役員の員数(人)
基本報酬 業績連動報酬等 その他
役員賞与 株式報酬
取締役(社外取締役を除く) 998 374 480 144 - 7
監査役(社外監査役を除く) 50 50 - - - 2
社外役員 93 93 - - - 9

政策保有株式

当社は取引先等の株式を保有することで事業遂行における円滑化が図れる場合は、別に定める「取引円滑化の為の資産取得のガイドライン」に則り、政策保有株式として保有する方針としています。
なお、同ガイドラインにおいては累計した取得資産の簿価総額が連結純資産の一定程度を目安とすることとしています。
当社は毎年取締役会にて、個別の政策保有株式について中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、保有意義が乏しいと判断される株式については縮減を図るなど見直しを行っています。取締役会では、年1回、取得の目的である事業における年度毎の受注高や仕入れ額といった取引状況を確認し、継続保有の可否について検討を行っています。

銘柄数及び貸借対照表計上額(2026年3月末現在)
銘柄数(銘柄) 貸借対照表計上額の合計額(百万円)
非上場株式 11 225
非上場株式以外の株式 5 39,217

2025年度において株式数が増加した銘柄

該当事項はありません。

2025年度において株式数が減少した銘柄
銘柄数(銘柄) 株式数の減少に係る売却価格の合計額(百万円)
非上場株式以外の株式 1 13
株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の併合、株式の分割、株式の移転、株式交換、合併等による変動を含んでおりません。

監査の状況

監査役監査の状況

当社は監査役会設置会社であり、監査役会は常勤監査役2名、社外監査役3名の5名で構成され、月1回及び必要に応じて臨時に開催しています。
監査役会では、監査の方針、職務の分担等の監査計画の策定、監査報告の作成、会計監査人に関する事項としてその評価、「会計監査人の解任または不再任の決定方針」に基づく判断と再任の適否、監査報酬等の同意等を具体的な検討事項として審議、協議、決議を行っています。
また監査役会では取締役・執行役員・グループ会社社長等から業務報告を受け、更に常勤監査役から活動報告がなされています。監査役全員が出席する監査部、リスク管理部との月一回開催される連絡会においては、内部統制システムの構築・運用状況、財務報告に係る内部統制の評価に関する定期的報告、その他の報告に基づき、情報の共有、意見交換を行っています。代表取締役、社外取締役とはそれぞれ、監査役全員が参加する会合をもち、意見を交換し、意思疎通を図っています。
常勤監査役2名は相互に連携し、経営会議・営業執行会議・技術執行会議・リスク統括委員会・サステナビリティ委員会その他の重要な会議への出席、内部監査への立会い、必要に応じて取締役その他役職員への業務執行状況のヒアリング、稟議書・議事録・会議資料・報告書の閲覧等を通じて、内部統制システムも含めた監査活動を行っています。またグループ監査役連絡会を開催し、グループ会社の監査役との連携を図っています。
会計監査においては、監査役全員で会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人との会合をもち、会計監査計画の説明、期中レビュー報告、会計監査報告を受けるほか、必要に応じて常勤監査役が、経理部門、会計監査人からヒアリングを行っています。

内部監査の状況

内部監査については、監査部12名体制のもと、監査部により情報管理・リスク管理などに関する内部監査及び財務報告に係る内部統制の評価を実施しています。会計監査において内部統制上の課題が発見された場合には、その情報が都度各部門に伝えられ改善が検討されると同時に、内部統制評価の一環として監査部も当該情報を入手し、各部にフィードバック及び各部の改善状況についてのモニタリングを行い、その状況について社長、取締役会、監査役及び会計監査人に報告しています。
監査役監査との役割調整及び整合性を図るため監査役に対して適宜状況報告を行いながら活動を行っており、監査役は内部監査への立会い、内部監査結果の報告を受けるほか、社内の状況に関する情報交換を適宜実施しています。
また、内部監査の実効性を確保するための取り組みとして、社内規程において、内部監査の結果等を社長のみならず、取締役会並びに監査役及び監査役会に対しても直接報告を行う仕組みを定め、デュアルレポートラインを構築し実施しています。