研究・技術開発

基本的な考え方・方針

「住む人が、永く安心して快適に暮らせる住まいづくり」を実現するため、長谷工グループ独自の研究開発体制を築き、新たな挑戦を続けています。

長谷工のものづくりのDNA

私たちは、1960年代後半からマンションづくりに取り組んできました。
50年以上の歴史の中で、さまざまな開発をおこない、日々新しい挑戦を続けています。
その中で、唯ひとつ変わらないもの。
それは、家族の安心、良質な住まいへの、揺るぎない想い。
地道な作業の繰り返し、当たり前のことを原点から見直す発想、そしてアイデアを具現化する技術。
長谷工のものづくりのDNAは、今も変わらず社員ひとり一人に受け継がれています。

体制

基本方針に基づいた研究・技術開発を着実に推進するため、技術系部門の役員などで構成する「技術実行委員会」を東西に設置しています。委員会では、研究・技術開発テーマの内容を全社で共有し、関係部門が連携しながら進捗を確認することで、投資効果の最大化を図っています。
また、技術推進部門・建設部門・設計部門に加え、協力会社で組織される「建栄会」と連携した四位一体の取り組みによる「HASEKOバリューアップ活動委員会」からも現場の知見を生かした開発アイデアを提案することで、より価値の高い技術開発につなげています。

技術研究所

長谷工コーポレーション技術研究所は、「住む人が、永く安心して快適に暮らせる住まいづくり」を目指し、建物の長寿命化や耐震性強化、CO2削減をはじめとする環境問題など常に顧客や社会の新たなニーズに応えるべく、集合住宅に関する様々な性能実験や研究開発にチャレンジしています。
詳細は、下記サイトをご参照ください。

取り組み

知的財産管理

長谷工グループでは、マンション建設を中心とした事業活動を支える技術力が事業優位性の確保や企業価値の向上につながるとの認識のもと、知的財産を重要な経営資源と位置付けています。
グループ内で開発した技術やアイデア段階の技術などを対象として、知財出願の推進、権利の維持管理、他社特許との抵触確認や各種契約締結支援を行い適切な管理に努めるとともに、技術開発プロジェクトと連携して新たな技術の創出につなげています。
また、社内向けの知財教育を通じてリテラシーの向上を図り、グループとしての知的財産の適切な管理や戦略的活用に取り組んでいます。

保有知財件数

(件)

項目 登録 出願中
特許 256 181
意匠 99 7
実用新案 3 0
合計 358 188
  • 2026年6月30日現在

技術開発の事例

「サステナブランシェ本行徳」での取り組み

2023年9月に竣工した「サステナブランシェ本行徳」は、国内初リノベーション物件で建物運用時のCO2排出量ゼロを実現するプロジェクトです。脱炭素社会の実現に資する省エネルギー技術、建物の長寿命化技術、ウェルネス住宅技術など、長谷工グループの先進的な技術を結集するとともに、IoT機器やAI技術を活用した未来志向の住まいづくりを推進しています。また、本プロジェクトの取組みが評価され、「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞したほか、「第23回環境・設備デザイン賞」優秀賞、「令和7年度デマンドサイドマネジメント表彰」優秀賞を受賞しました。

GREEN RENOVATION

内・外断熱性能向上、カバー工法によるLow-E複層ガラス・真空ガラスへの更新、LED照明更新といった改修を実施し、強化外皮基準(UA値)およびZEH-M Oriented相当の基準を満たすことで、BELS認証を取得しました。さらに、既存の電気・ガス併用のインフラ設備をオール電化に改修し、屋根・外壁・バルコニー手摺への太陽光発電設備の設置、純水素燃料電池の採用、および再生可能エネルギー由来の「グリーン電力」の導入を行うことで、既存リノベーション物件では国内初の建物運用時のCO2排出量実質ゼロを実現します。

RESIDENCE LABO

未来の住まいに関する技術検証の場として、全36戸のうち13戸を居住型実験住宅とし、IoTやAIを活用したさまざまな実証実験を行っています。
建物の長寿命化技術や省エネ技術、ウェルネス住宅技術ほか、IoT機器やAI技術を最大限生かし、LIM(Living Information Modeling)を通じた"暮らしの最適化"を実現するため、実際の居住環境から得られるさまざまなデータを新たな住まい価値創造に向けた研究・技術開発に活かしています。

  • マンションに人々が住み始めてからの建物の状態や設備の利用状況、さらには人の動きなど、マンションが持っている暮らしに関する情報を活用する概念

詳細は、下記サイトをご参照ください。

環境に関する技術

資源循環による脱炭素モデルの構築

新たな環境技術として、竹チップを活用した地盤改良及び建設汚泥の処理技術の実用化を進めています。その背景には、国内各地で課題となっている放置竹林の存在があります。当社は、この社会課題を解決する手段として、竹資源を活用した循環型の施工モデルに取り組んでいます。
本技術では、建設汚泥に竹チップを混合して固化処理することで、再生土として再利用することが可能となります。実証実験では、竹チップの活用により必要なセメント量を削減しながら、施工に必要な強度や運搬性を確保できることを確認しています。また、セメントを竹チップに置き換えることによるCO2排出量の抑制に加え、竹が吸収した炭素を地中に固定する効果も期待されており、地域資源の循環利用と環境負荷低減の両立を実現します。
今後は、竹チップの安定供給に向けた製造体制の整備を進め、資源調達から施工活用までを一体化した事業モデルとして展開するとともに、竹資源の適用領域拡大により新たな成長領域の確立を目指します。

竹チップによる固化処理技術を利用するメリット
  1. 伐採後の竹を有効利用するための技術として竹害問題の解決に大きく貢献
  2. 竹の生長過程で吸収したCO2を地中に固定
  3. セメント系固化材の使用量削減によるCO2排出量削減
竹チップによる建設汚泥の固化処理フロー
環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」の開発・採用

詳細は、下記ページをご参照ください。

集合住宅における木造活用の推進

詳細は、下記ページをご参照ください。

建物・設備に関する技術

人が感じる心地よさや快適さも、日々の実験や検証の積み重ねによってつくり出すことができると考えます。
長谷工技術研究所では、リアルな住環境について研究するため、実際のマンションを「住宅実験棟」として再現し、研究・開発にあたっています。
住戸内で音がどのように伝わるのか、配管はどのように劣化するのか、さらに太陽光発電など自然エネルギー利用や将来のリフォームに活用するアイデアなど、常に実際の住まいと同じ環境で、暮らしに直結する技術を磨いています。

内外装における住宅性能向上に向けた取り組み
  1. 可変性を向上させる内装システムの開発
  2. 耐久性と更新性を考慮した外装システムの開発
  3. 遮音、断熱、換気等の住宅性能を向上させる技術開発
  4. 利便性や快適性を向上させる商品開発
  5. 設備配管の更新、更生工法の開発
  6. 自然エネルギー利用への取り組み
  7. 内外装のリフォーム技術の開発
新たな排水立管改修工法「2V-SPEC工法」

詳細は、下記サイトをご参照ください。

マンション専有部向け全館空調熱交換気システム

長谷工コーポレーション、プライム ライフ テクノロジーズ、パナソニック建設エンジニアリングの三社共同で、マンション専有部向け全館空調熱交換気システム「withair® CUBE(ウィズエアーキューブ)」を開発しました。
従来、居室ごとに設置していたエアコン等の空調機器を1か所に集約し、高効率なルームエアコン1台で一元管理し、住戸内でほぼ均一な温度環境を実現できるため、熱中症対策にも効果が期待されます。また給気の際、住戸内に侵入する花粉やほこりの侵入を防止し、清浄化しながら空気を循環できるなど、高い空気清浄機能も完備しています。快適な住戸内環境の実現に向け、本システムの導入提案を積極的に進めてまいります。

本システムの特長:温熱快適性・空気清浄機能・加湿性能・就寝時快適性・省エネ性

マンション専有部向け全館空調熱交換気システム概念図
睡眠医学の知見を活かした住空間とスマートホームシステムの構築

NTT東日本グループ、ブレインスリープと共同で、睡眠の質から居住者の日々のパフォーマンス向上にアプローチする「快眠のための家」の検証を行っています。
サステナブランシェ本行徳(総戸数36戸)に設置した実験住戸では、最新の睡眠医学の知見を活用した睡眠に最適な温湿度の設定や内装壁面の木質化などにより睡眠の質を高める住空間とし、NTT東日本グループが提供する睡眠計測APIを活用したスマートホームシステムを構築することで、ハードとソフトを融合した新たな形で睡眠の質を向上させる環境を創出しました。さらに、居住者のセンシングデータの取得や定期的なアンケート実施を行い、その効果を検証します。
本検証を通して、睡眠の観点から居住者それぞれに最適な住空間を提供し、ウェルビーイングを向上させることを目指しています。

「快眠のための家」の検証ポイント
  1. スリープテック※1を活用したサーカディアンリズム※2の最適化: 専有部内の照明制御、カーテン、ブラインド制御による太陽光の取り入れの調節
  2. 快適な温度・湿度・空気環境の構築: 建物の構造、断熱材などによる温度・湿度調整。全館空調システムによる空調管理。
  3. 色や音によるリラックス効果: 快眠を導く壁面色の採用、入眠音楽・起床音楽導入によるリラックス効果。
  4. 木質化によるリラックス効果: 木質クロスに触れる、木の香りを感じることによるリラックス効果。
  • IoT機器やAI技術などを活用して、睡眠状態をモニタリング・分析し、科学的に睡眠の質を改善または向上させる機器、システム、サービス
  • 概日リズムとも呼ばれる、約24時間周期の体内リズムのこと

研究開発費の推移

(億円)

項目 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
研究開発費 39.2 33.1 38.2 42.1 38.9

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