信頼される組織風土
社外取締役メッセージ

社外取締役 一村 一彦

新たな中計経営計画「HASEKO Evolution Plan」がスタートしました。その中心的位置付けとして、「E・S・Gのすべての観点から社会的責任を全うし、持続的社会の実現に貢献する」ことを掲げております。また、サステナビリティ経営の確立に向け、従前よりその取組み方針を「事業を通じた諸課題の解決により社会価値の創造とグループの成長を両立させ、企業価値の向上を実現する」として、当社の目指す姿の中心に「信頼される組織風土」を形成することを掲げております。
しかしながら、今般、グループ会社で独占禁止法違反の疑いのあるとして、公正取引委員会の立入り検査を受けるという事案が生じております。社会的責任を全うし、信頼される組織風土を形成しようとしている企業には決してあってはならない事態です。改めて自分の身の回りに会社や家族、友人に説明できないような不適切、不透明な行為がないか再点検し、統制の効いたエクセレント・カンパニーとして掲げた素晴らしい目標の達成に向け、新たな気持ちで「HASEKO Evolution Plan」に臨みたいと思います。
当社は2027年に創業90周年を迎えます。90年間に先輩達によって築かれた当社の信頼という大きな財産も、一旦事あれば無に帰す事になってしまいます。「築城3年、落城1日」のたとえを常に念頭に置いて、日々の業務を公明正大に推進してまいります。

社外取締役 長崎 真美

今期は、「HASEKO Evolution Plan」のスタート年となりました。経営指標については、「経常利益」のみならず「ROE」の目標数値も取り入れることとなり、資本効率の向上に対する経営陣の意識の変革が表れていると感じています。
計画の策定にあたっては、取締役会メンバーでテーマ毎に自由に意見交換を行う会議を重ねました。その中では事業ポートフォリオ毎に市場の成長性・競合他社を分析し、いかに当社グループの強みである総合力を活かして生産性を高めて成長していくか、真摯に議論がなされました。人口減少、土地や資材等の高騰、働き手不足など、当社を取り巻く経営環境が厳しさを増していく中で、コア事業である建設関連事業を中心に、不動産関連事業と管理運営事業が更なる成長を遂げていくための事業戦略は、多岐にわたります。
私はこれまでの弁護士や社外役員としての経験を活かし、株主の利益の代表者として、コンプライアンスの徹底、コーポレート・ガバナンスの一層の向上に向けた提言を続けるとともに、計画が着実に実行されているか監督し、積極的に意見を述べていく所存です。そして計画策定後に事業リスクや環境に変化があれば、経営陣がスピード感をもって対処していくことも重要です。今後の取締役会においてROICの議論を始めるという方向性も執行部から示されており、事業ポートフォリオに関する議論の深化が当社の持続的な成長につながることを期待しています。

社外取締役 小椋 敏勝

当社の社外取締役に就任して5年が経過しましたが、取締役会等での議論を通じて強く感じることが二つあります。一つは、一度、「地獄を見ている会社」であること。当社は、1999年1月に株価が13円にまで落ち込みました。
そこから経営方針を抜本的に見直し、再建に向けた様々な施策を全社をあげて着実に実行し「新生長谷工」に生まれ変わりました。その間の苦しい経験は、経営危機後に入社した社員にも伝え続けられていて、取締役会の場に限らず様々な場面で社員と会話していても感じさせられることが多々あります。次に強く感じるのは、「独自のビジネスモデルを持った会社」であること。単なるマンション建設会社ではなく、用地取得、場合によってはその前から関わり、マンション完成後も様々なお客様フォローに携わるという、他の追随を許さないものを持っている会社であることの自信と自負を社員の皆さんとの会話を通じて感じます。ただ、それだけをベースに企業活動を続けても、今後の大きな発展は望めません。不動産関連事業、管理運営事業、海外事業等、既に実績があり、将来的にも発展が期待される分野に事業を展開していく時です。池上前社長の5年間に重なる中期計画は営業利益をはじめ目標を達成することができました。
熊野新社長は、それをベースに、新たな事業展開にも積極的かつ着実に取り組まれると期待しています。社外取締役としても、今まで同様、必要な助言、提言を続けていく所存です。

社外取締役 藤井 晋介

本年4月、熊野取締役が当社新社長に就任しました。熊野社長は就任に当たり、社長として新たに意識したいテーマは「資本効率」であると表明しました。当社は1990年代の経営危機以降資本にゆとりがなかったため、多くの資本を必要としない建設業に集中して再建に取り組みました。その間重視したのは粗利益や粗利率といった経営指標です。これらの単純な指標は分り易いため、全社員で共有し一丸となって注力するのには最適だったと言えるのかもしれません。
しかし、近年資本に厚みが戻り、新たな成長のため再度不動産事業も拡大しつつある中、従来と同じ指標だけで経営を続けていては会社価値を棄損することにもつながりかねません。従って、熊野社長の年頭の表明は、資本のコストや効率、投資の現在価値といった新たな指標が重要となっている近年の当社業態変化を反映した時機を得た方針表明と言えるでしょう。目標設定された粗利益は、汗をかいて何としてでも達成するという当社現場のバイタリティー、貴重なDNAは残しつつ、資本効率重視の姿勢が出来るだけ早く全社的に浸透するよう、また、市場にそれが評価してもらえるよう支援していきたいと思っています。

社外取締役 藤井 健

異常気象、武力紛争等世界はこれまでにない重大なリスクに晒されています。一方、国内では急速な人口減少が進んでいます。
この様な中、単なる事業継続以上に、これら変化を新たなチャンスとして捉え、未来に向け価値創造を図っていく戦略的視点が重要となっています。
当社グループの「HASEKO Evolution Plan」でも「継承」と「変革」を掛け合わせた「進化」を目指しています。その実現に、社外取締役の一人としても取り組んでまいります。

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