信頼される組織風土
社外取締役インタビュー

PROFILE

1953年生まれ。三菱商事株式会社建設設備ユニットマネージャー、三菱商事都市開発株式会社代表取締役社長、
株式会社アサツーディ・ケイ執行役員などを歴任。2016年6月に当社取締役就任。

Q. 長谷工グループの印象について、また近年における取締役会の変化についてお聞かせください。

2016年6月から社外取締役を務め、今期で5年目に入りました。
当社の一員となって強い印象を受けたのは、すべての社員が自社のビジネスモデルを十分に理解しており、ベクトルを一つにして仕事に取り組んでいることです。
各部門・グループ会社が同じ考え方を共有しているため、コミュニケーションがスムーズで組織が有機的に機能し、それが高い業務品質につながっています。
一方、取締役会の状況を述べますと、近年経営会議への権限委譲を進めてきたことで、成長戦略上の重要事項に関する議論をより充実させており、活性化と実効性の向上を果たしていると感じます。
具体的には、海外事業への投資、所有不動産の活用、関係会社の再編、価値創生部門の新設、最近では建売住宅の老舗である細田工務店のM&Aなどについて討議し、私たち社外取締役も忌憚のない意見を述べました。

Q. 新中期経営計画に対する評価は? また計画の推進にご自身の知見・経験をどう活かしたいとお考えですか?

「HASEKO Next Stage Plan」は、マンション市場の変化を見据え、分譲マンションをコアとする従来の事業構造の転換を図るもので、建設対象・住宅用途の拡大を検討し、複合開発の方向性も打ち出した意欲的な計画です。
長期視点で「住まいと暮らしの創造企業グループ」への飛躍を目指し、持続的成長を実現していくチャレンジとして評価しています。
ただし、5ヵ年という長い計画期間ですので、目指す方向性・目標に対して乖離が生じた場合に、計画をどう見直し、軌道修正していくか、それが重要になるでしょう。
私は、かつて三菱商事グループの収益不動産ディベロッパーを経営し、都市開発に関するいろいろな苦労や失敗の経験もあるので、当社が中期経営計画の中で進めていく複合開発プロジェクト等においては、有効な助言ができますし、保有不動産のファンド化・リート化についても人脈を活かしたサポートが可能ではないかと思います。

Q. 長谷工グループのCSR活動をどう捉えていますか?

まず評価したいのは、CSR活動のコンセプトとなっている4つのCSR取り組みテーマです。「信頼される組織風土」を中心に据えた上で、環境・社会への責任と貢献を「住んでいたい空間」「働いていたい場所」「大切にしたい風景」として明確に方向付けており、信頼関係の充実による企業づくりを社内外に発信するメッセージとしても優れています。
長谷工グループのCSR活動の中で、私は特に「長谷工の森林(もり)プロジェクト」「明日香村プロジェクト」など、継続的な取り組みによって環境問題や社会課題の解決に寄与し、社員も一緒に参加できる活動、ステークホルダーとのコミュニケーションの活性化につながる活動に注目しています。
今後は、激甚化する自然災害やコロナ環境への対応、あるいは海外事業の投資対象国に対する貢献など、長谷工グループならではのCSR活動を拡げ、事業成長にもつながる「CSV(共有価値の創造)」を実現してほしいと思います。

Q. 将来の長谷工グループへの期待をお聞かせください。

長谷工グループは、快適な住空間の提供を通じ、人々にとって必要不可欠な生活インフラを支えています。
そして土地と事業プランの持ち込みによる「長谷工ビジネスモデル」を展開し、広く社会に貢献してきました。
これらのコアビジネスについては、引き続き社会の要請に応えながら事業領域を拡げ、より太い収益の柱にしていくべきだと考えます。
その収益基盤を維持しつつ、新たな成長機会の獲得にチャレンジし、未来を拓いていくことがこれからの長谷工グループのテーマです。
方向性の一つは、やはり海外における取り組みでしょう。日本式マンションへの高評価を武器に、リスクマネジメントを図りながら、北米や東南アジアでの開発プロジェクトをさらに展開させていく必要があります。そこでは、CSR活動を通じた現地社会との関係づくりもマーケティングの切り口になると思います。
社員一人ひとりが事業を通じた社会貢献の視点を持ち、より良い会社づくりのための変革を意識することで、一層の飛躍を遂げることができると期待しています。